May, 31, 2023, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、炭素原子のみからつくられるシート状の物質であるグラフェンを立体化するNTT独自の技術を用いて、立体的な細胞塊の繋がった神経ネットワークから長期的に神経活動を計測することに成功した。
立体化したグラフェンが培養細胞の足場になると同時に電極として機能することで、従来困難だった、複数の細胞塊からの長期的な計測(70日間)を可能にした。細胞塊の繋がった神経ネットワークは、同期と非同期の混ざった神経活動の時空間パターンを示し、日数の経過に伴ってそのパターンが変化することも示された。
研究成果は、脳の特徴的な構造を模した培養組織 (立体細胞塊のネットワーク)において神経機能を可視化することに成功したものであり、発生学や創薬研究を加速するBrain-on-a-chipの要素技術として活用されることが期待される。
研究成果の詳細は、米国東部時間2023年5月1日、米国科学誌「Advanced Functional Materials」に掲載された。