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60GHz帯電波の知的反射制御の実証実験に成功

May, 30, 2023, 仙台--Society5.0の実現を支える次世代の超高速無線通信では、周波数が数十~数百ギガヘルツのミリ波や数百ギガ~数テラヘルツのテラヘルツ波(THz)と呼ばれる高周波数帯の電波を利用する。しかし、この高周波数帯の電波は直進性が高く、遮蔽物に遮られるという課題があり、そこで注目を集めているのがIRSである。

東北大学大学院情報科学研究科の川本准教授らの研究グループはこのIRSを無線通信システムに組み込み効果的に利用するための方式検討を進めており、今回、世界で始めて電波の反射方向を動的制御可能な60GHz帯向け多素子IRSを用いた実証実験に成功した。

IRSはメタ原子と呼ばれる微小な構造体を平面的に集積した反射板であり、各メタ原子の反射特性を変更することで、IRS に入射した電波の反射方向を任意の方向に制御することが可能。この特性を利用することで、遮蔽物の陰など電波が届きづらい場所にも有効な通信環境を提供することが可能となり、次世代の無線通信技術を用いた超高速通信を利用可能なエリアを拡張することができる。

実証実験に使用したIRSは、東北大学と株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究所が共同で検討を進めてきたもので、製作は株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究所によるものである。また実験は東北大学が設置場所の選定やビーム制御方向などを検討し実施した。

(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)