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注射に取って代わる有望な薬剤送達ピル

May, 11, 2023, Houston--関節リウマチのような慢性疾患では、処置は生涯注射を必要とする。針に対する恐れ、注射に関連する感染や痛みは、患者が服用をスキップすることに関係してくる。これが、有効性と限定的な副作用を組合せ、患者を十分に治療する新しいデリバリ戦略開発のきっかけとなった。

Baylor College of Medicineと協力研究期間の研究者は、注射を必要とせず、薬を飲むように簡単な、より優れた薬剤デリパリング法を研究していた。研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciencesに発表された。

Baylorの統合生理学教授、Dr. Christine Beetonは、「現在の研究で、動物モデルの関節リウマチ処置のために共生バクテリア、ラクトバチレス・バイテリ(乳酸菌)を新しい経口薬剤デリバリプラットフォームとして利用する可能性を研究している」と話している。

Beetonラボの以前の研究は、イソギンチャク毒素から採ったペプチド、ショートタンパク質が、関節リウマチ、尋常性乾癬患者のラットモデルで疾病重症度を効果的、安全に緩和することを示していた。「しかし、ペプチド処理は、繰り返し注射を必要とするので、患者の薬剤服用く順守を下げ、ペプチドの直接経口デリバリは有効性が低い」(Beeton)。

Beetonは、Baylorの分子ウイルス学、微生物学教授、Dan L Duncan Comprehensive Cancer Centerのメンバー、Dr. Robert A. Brittonと協働した。Brittonラボは、複合物を生成し、放出するようにプロバイオティックバクテリアを遺伝的に改変するツールと専門技術を開発した。現在の研究ではチームは、プロバイオティックL.ロイテリをバイオエンジニアし、イソギンチャクの毒素からとったペプチドShK-235を分泌するようにした。

研究チームがL.ロイテリを選択したのは、これらのバクテリアが、ヒトおよび他の動物の内臓に生来存在するからである。それは、乳酸バクテリアグループの一つであり、食品産業で細胞工場として以前から使われてきており、US FDAにより安全であるとして認定されている。L.ロイテリは、幼児、子ども、成人、免疫抑制集団でさえも優れた安全性プロファイルを有している。

Beetonは、「結果は、励みになる。これらのペプチド分泌バクテリア、LrS235を日々デリバリすると、病気の臨床的兆候が著しく減少した。これには、関節リュウマチの動物モデルの関節の炎症、軟骨破壊、骨の損傷が含まれる」とコメントしている。む

研究チームは、バクテリアLrS235、それが動物モデル内で分泌するペプチドShK-235を追跡した。ShK-235を放出するライブShK-235をラットに与えた後、血液循環にShK-235を検出できることを確認した。

「われわれがL.ロイテリを選択したもう1つの理由は、こらのバクテリアが、内臓に永久にとどまらないことである。それらは、内臓が、バクテリアが付着している内面層を定期的に更新する際に除去される。これは、治療管理の調整に可能性を開く」(Beeton)。

この新しい薬剤デリバリシステムを臨床に移行させるには、さらなる研究が必要であるが、研究チームは、将来、それが患者の治療を容易にすると期待している。「これらのバクテリアは、キッチンカウンタにおいておけるカプセルに蓄積できる。患者は、休暇の際、冷蔵庫なし、あるいは針を持ち運ぶことなく、そのカプセルを持って行けるので、日常的な注射の不便さなしに治療を継続できる」(Beeton)。

研究成果は、ペプチドベース薬剤の代替デリバリ戦略を提供し、そのような技術と原理を幅広い範囲の薬剤、慢性温床疾患の治療に適用できることを示唆している。
(詳細は、https://cdn.bcm.edu)