May, 10, 2023, 京都/東京--京都大学大学院理学研究科の浅場智也 特定准教授、Peng Lang同ポスドク研究員(現華為科技有限会社)、小野孝浩 同修士課程学生(2022年3月卒業)、末次祥大 同助教、笠原裕一 同准教授、寺嶋孝仁 同教授、幸坂祐生 同教授、市川正敏 同講師、佐々真一 同教授、松田祐司 同教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の芝内孝禎 教授らの研究グループは、ドイツ・フランクフルト大学と共同で、グラファイト基板上に塩化ルテニウム(半導体)のナノ量子細線を作製する手法を発見した。
この量子細線は、厚みと幅が約1ナノメートル(原子数個分)と極めて細いにもかかわらず、長さが1マイクロメートル(µm)を大きく超える。また、ほぼ直線で等間隔に並び、細線の幅や間隔を変えることも可能。このような量子細線のパターンは、これまでにはない新しい機構に基づくもので、熱帯魚の縞模様やキリンのまだら模様が生じるのと同じ原理で自発的に形成されている可能性が高いことも研究グループは明らかにした。
研究成果はナノテクノロジーにおける超微細加工に新たな視点を提供するものであり、1nmサイズの半導体や金属の量子細線の作製を可能にすることが期待される。
研究成果は、5月4日(日本時間)に米国科学振興協会が発行する科学雑誌「Science Advances」に掲載された。
(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)