May, 2, 2023, つくば--日立建機株式会社 (以下、日立建機) と物質・材料研究機構 (以下、NIMS) は、使用済み歯車の表面にレーザ焼き入れすることで、摩耗によって損傷した部分を修復する手法を共同開発した。
また、日立建機とNIMSは、修復した歯車の使用寿命を、新品と同等以上に延長可能であることを実証した。同手法は、炭素を拡散させて金属の表面を強化する浸炭処理を施した歯車を対象としている。
日立建機は、2023年4月より、使用済み油圧ポンプ内部の歯車の再生において、同手法を適用する。これにより、従来、廃棄の対象としていた歯車の再生利用率が約25%向上する。20トンクラスの油圧ショベルの場合、毎回の定期部品交換時、新品ではなく再生された歯車を利用することで、新品部品を製造するときに発生するCO2排出量1台当たり約13kgの低減が見込まれる。将来的には、鉱山機械の再生部品への同手法の適用や部品再生を行っている日立建機グループの海外拠点への導入も計画している。
同手法は、日立建機 部品・サービスビジネスユニット 再生事業部とNIMS 構造材料研究センター 極低温疲労グループが共同で開発した。両者は、2019年から取り組み、2021年5月に発表した「X線測定による歯車の再利用可否の判定手法」に続き、2020年から同手法の開発に取り組んできた。
(詳細は、https://www.nims.go.jp)