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ブルーライト技術、ナノスケール顕微鏡を強化

May, 1, 2023, Providence--1990年代半ばに、サブ波長近赤外顕微鏡技術が登場して以来、科学者は、広範に利用されている半導体材料を研究するために、その方法の利用に成功していない。問題は、イメージング技術が、もっと長い光波長でしか機能しないことである。

米国、ブラウン大学の研究チームが、その顕微鏡法をブルーライト領域押し込んだ。これが、シリコンやGaNなど、広いバンドギャップの材料内部の電子の研究に新たな可能性を開いた。(Light Sci. Appl., doi: 10.1038/s41377-023-01137-y)

s-SNOMで的を絞る
散乱タイプ走査型近接場顕微鏡(s-SNOM)という技術を使い研究者は、ペロブスカイトソーラセル、方解石のゴーストポラリトンにおける粒欠陥のようなナノスケール現象をプローブした。その非線形顕微鏡法は、調べる材料のわずかに上方にある鋭い先端からの散乱光を使う。散乱光の一部が、その材料についての情報を持っている。

残念ながら、経済的に重要な半導体を研究している者にとって、s-SNOMが適切に機能するにはテラヘルツおよび赤外放射を必要とする。より高エネルギーのフォトンは、そのプローブの薄い先端に結合しない、また同システムの集光は難しい。

ブラウン大学の研究者は、ブルーライトを使って、サンプル材料そのものからTHz放射を生成することでその問題を回避した。実験では、チームは、半導体サンプルの上にホバリングしている原子間力顕微鏡の先端で410ーnmフェムト秒レーザパルスを放出した。その材料に作用するブルーライトは、二次非線形プロセスによりテラヘルツ放射を誘導する。次に、研究者は、レーザテラヘルツ放射顕微鏡で、そのTHz光線を分析し、ナノスケール空間分解能を達成した。

ブラウンのグループは、バルク結晶シリコンで実験を行う前に、InAsでその技術をテストした。InAsは、わずか0.35eVの狭いバンドギャップである。シリコンは、ブルーライトを当てるとテラヘルツ光を発するが、赤あるいは近赤外放射では、できない。

ブラウン大学、工学部、論文の著者、Daniel Mittlemanは、「われわれの計測が機能することは確かである。また、その結果の解釈の仕方を把握した。われわれは、これまではできなかったような方法で、これらの材料の全ての研究を始めることができる」とコメントしている。
同氏は、研究者がこれまでできなかった材料を分析するためにブルーライトを利用する計画を立てている。