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電気光学変調器、可視光を高効率、精密制御

April, 19, 2023, Cambridge--今日、使用されているほとんどの電気光学変調器は、電圧を使って、光の位相、強度、色を制御する。裸眼には見えない光の長波長を操作できるので、これらのデバイスは、今日のデジタル通信やインターネット基盤のバックボーンになっている。光スペクトルの異なる部分、より短い可視光波長を制御できる新しいタイプの電気光学変調器が全く新しいアプリケーションの世界を解放する。

Harvard SEAS、Marko Lončarをリーダーとする研究者は、可視光と近赤外光を簡単に、効率的に操作できる電気光学変調器を開発した。その成果は、Nature Communicationsに発表された。

「われわれは、以前に電気光学変調器で可能だったよりも、遙かに効率的に光の色を変えられることを実証した」と、論文の共同筆頭著者、Dylan Renaudは、話している。

「これら電気光学変調器は、AR/VRアプリケーション、距離と時間の精密計測、環境モニタリングやセンシングを可能にし、量子物理学の法則によりセキュアな通信が可能になる」とMarko Lončarは、話している。同氏は、Tiantsai Lin Professor of Electrical Engineering、 SEASのLaboratory for Nanoscale Opticsディレクタ。

Renaudによると、それは量子情報応用に特に有望な意味をもつ。多くの「qubits」候補、情報を記憶し、計算を行うためにエンタングル量子状態を利用する量子技術の基本構成要素は、可視光波長で光を発するからである。

この量子光発光の色を精密制御できることは、未来の量子応用にとって極めて重要になる。Lončarチームが開発した変調器は、この偉業を達成しており、光の周波数、その色を、光スペクトルの複数の線幅で変えることができる。色変化は、電圧を電気光学変調器に印加することで達成され、フォトンの移動速度を変え、したがって光ビームの色を変える。

不可視光、赤外(通信機器で一般に使用されている) と比べると、可視光や近赤外光は、波長が遙かに小さい。チームの最大の課題は、スケールダウンした変調器、遙かに小さな光波長で動作可能な変調器の設計法の考案であった。その目標に到達したとき、チームは、驚くような利点を目の当たりにした。

「興味深いことは、われわれがスケールダウンして可視光を閉じ込めると、変調器の中で、光場とマイクロ波場との相互作用が強くなる。このことから、従来の変調器と比べて、効率が大幅に高まることを確認した」(Renaud)。

「通信のデータトラフィックは、急増しており、望ましい帯域幅について行くには、ますます大きなエネルギー消費量を必要とする。われわれのスケールダウン変調器は、動作に必要な電圧は低く、必要なエルギー量を下げる。必要なエネルギーをもっと少なくすると、より高効率で多くの情報を高速化できる」とLončarラボの応用物理学院生、論文の共筆頭著者、Daniel Rimoli Assumpcaoは、話している。

Assumpcaoによると、より小サイズの電気光学変調器は、超高速、ショートホール通信を可能する。今日の変調のほとんどは、長波長向け、LH光通信向けであるが、より短い可視光あるいは近赤外波長を利用する変調器は、短距離で(1マイルの一部、あるいは数メートル)、より効率的で高速のデータ通信を可能にする。

(詳細は、https://seas.harvard.edu)