April, 6, 2023, 東京--株式会社建設技術研究所は、理研発・QST認定ベンチャーの株式会社フォトンラボとの業務提携、量子科学技術研究開発機構(QST)との共同研究により、人力打音検査を代替え・定量化する「レーザー打音検査装置」を国内で初めてトンネル内装曲面タイルパネルの診断支援に活用し、有効であることを確認した。
これにより、トンネル内装曲面タイルパネル点検の効率化と点検技術者の身体的な苦痛からの解放が期待できる。
覆工コンクリートからトンネル内装曲面タイルパネルへ社会実装を拡大
「レーザー打音検査装置」は、ハンマーの役割をする打音レーザーと振動を計測する計測レーザーにより、打音検査を遠隔・デジタル化する装置。道路トンネルの覆工コンクリートに対する「レーザー打音検査装置」を用いた診断支援技術の社会実装により得られた経験や知見を活かし、トンネル内装曲面タイルパネルへの活用を測った。
浮いているタイルパネルは、人が点検ハンマーで叩くと、濁音(共鳴振動)が生じる。この共鳴振動に着目し、打音レーザーによりタイルパネルに振動を与え、計測レーザーによりタイルパネル表面の振動値から共鳴振動を計測することができれば、「レーザー打音検査装置」によるタイルパネルの診断支援が可能となる。これを確認するため、事前に実施した従来の人力打音検査よりタイルパネルが浮いていると診断された範囲に対して、「レーザー打音検査装置」による計測を行った結果、タイルパネルが浮いていることを示す共鳴振動を確認した。一方、浮きが生じていないタイルパネルでは共鳴振動は測定されなかった。このように、レーザー打音検査装置によりタイルパネルの共鳴振動の有無を確認することは可能であり、タイルパネルの浮きに対する診断支援に活用できることが確認できた。
次回点検時等において、レーザー打音検査装置による計測を行い、共鳴振動の有無を確認することで、タイルパネルの劣化進行に対する定量的な評価が可能となる。
(詳細は、https://www.qst.go.jp)