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ドローンで取得した画像データ処理を高信頼化する技術を開発

April, 5, 2023, つくば--筑波大学の研究者は、UAV上で実行するAI処理の一部を、地上の別の計算機で実行する新たな分散処理技術「PA-Offload」を開発した。

ドローンなどの無人航空機(uncrewed aerial vehicle、UAV)がさまざまな分野で活用され始めている。例えば、UAVで撮影した映像をAI処理によりリアルタイムに解析することで、災害救助や環境モニタリングに生かすことができる。
しかし、UAV自体には限られた計算機資源しか搭載できず、高性能かつ高信頼なAI処理を行うことは大きな課題の一つだった。

PA-Offloadの特長は、処理性能と信頼性のトレードオフを考慮した「性能可用性」という指標に基づいて計算処理のオフロード(ネットワークを介した分散)実施を決定すること。より高い性能可用性を達成するようにオフロードのタイミングを制御し、高性能かつ高信頼なAI処理を実現する。性能可用性を推定するためには、UAVやオフロード先の計算機の振る舞いの詳細な理解が必要になる。研究チームは、確率報酬ネットと呼ばれる確率モデルを用いて、UAVシステムの性能可用性を評価した。これにより、複数のUAVのオフロードや異なる無線通信チャネル、オフロード先の計算機の拡張性なども考慮することができる。

PA-Offloadは、人間では判断が難しい処理性能と信頼性のトレードオフの問題を解決する技術。性能可用性の指標化と解析、またそれを活用したUAVシステムの高信頼化は今後ますます重要な課題となることから、今後さらに、災害救助や森林伐採監視などの具体的な応用シナリオに基づいて、研究チームは、UAVシステムの高信頼化に取り組む計画である。
(詳細は、下記論文)
掲載論文
【題名】 Performability analysis of adaptive drone computation offloading with fog computing.
(フォッグコンピューティングを用いた適応的ドローン処理オフローディングの性能可用性解析) 【掲載誌】 Future Generation Computer Systems 【DOI】 10.1016/j.future.2023.03.027