March, 30, 2023, Lausanne--EPFLとIBMは、光測距に最適な超高速波長チューニング、低雑音レーザを共同開発した。
研究チームは、光通信の主力材料リチウムナイオベートと、より一般的なシリコンナイトライドを統合した。
EPFLとIBMの研究者は、光測距に大きな影響を与える新しいタイプのレーザを開発した。同レーザは、光変調器でよく使われている材料、リチウムナイオベートをベースにしている。光変調器は、デバイスで伝送される周波数、つまり光強度を制御する。
リチウムナイオベートは、特に有用である。多くの光パワーを取り扱うことができ、「ポッケルス係数」が高いからである。即ち、それに電界が印可されると光特性を変えることができる。
研究チームは、リチウムナイオベート(LN)とシリコンナイトライド(SiN)を組み合わせることでブレイクスルーを達成し、新しいタイプのハイブリッド集積チューナブルレーザの製造を可能にした。これをするためにチームは、EPFLで光のためのSiNベース集積回路(フォトニック集積回路)を作製し、次にIBMでそれらをリチウムナイオベートウエファに結合した。
そのアプローチにより低周波数ノイズ(レーザの周波数安定度基準)、同時に高速波長チューニングのレーザが実現された。いずれも、LiDARアプリケーションで使うレーザには素晴らしい品質である。次にチームは、光測距実験を行い、そのレーザを使って、距離を高精度測定した。
集積レーザの他に、そのハイブリッドプラットフォームは、通信向け集積トランシーバ、量子コンピューティングで用いるためのマイクロ波光トランデューサの可能性がある。
「その成果の素晴らしい点は、そのレーザが低位相ノイズと高速ペタHz/秒チューニングを同時に可能にしている点にある。これは、そのようなチップスケール集積レーザではこれまでに達成されなかったことである」とプロジェクトのEPFL側リーダー、Tobias J. Kippenberg教授は、コメントしている。
(詳細は、https://actu.epfl.ch)