October, 10, 2014, Amherst--マサチューセッツ大学アマースト校(UMass Amherst)のAlejandro Briseno氏をリーダーとする国際研究チームは、念願のポリマ構造の開発で巨歩を進めた。目標は光の電気への変換効率を高めて電子機器に使用すること。
単結晶ナノピラー、「ナノグラス」を使うことで、難題、つまり不連続な経路を回避する方法を見いだした。不連続な経路とは、有機太陽電池でエネルギー収集に、バルクヘテロ接続ドナ-アクセプタ、つまり正-負(p-n)接合という混合システムを採用する時の重大な欠陥のことを指す。
Briseno氏の研究グループは、単結晶p-n接合を設計し成長させる世界でも珍しいグループの1つ。「研究者たちは何十年も前から有機太陽電池のp-n接合界面の形態を制御しようとしてきた。ついにわれわれは、有機単結晶垂直ナノピラーでできた理想的な構造を開発した」とBriseno氏は説明している。ナノピラーはナノスケールであり、数十億の有機ポストを持つ加工表面。これは草の葉に似ており、草の葉のように効果的に光をエネルギーに変換する。
この前進は、非効率なエネルギー移送という問題に対処しただけでなく、不安定性の問題も一部解決する。混合ポリマ材料は時間の経過と共に分相性も失う傾向がありエネルギー移送が劣化する、とポリマ研究者は指摘する。また、混合システムの材料はアモルファスに、よくても半結晶になる傾向があり、「電荷移送は、高結晶システムで効率がよくなるので、これは欠点になる」。
特に、電極表面で分子の方位や充填を制御するために、チームはグラフェンや有機結晶についての知見を結集した。Briseno氏によると、難しかったが、コインのようにスタックするために必要な合成物をなんとか得ることができた。スタックされた合成物は、その構成が最大の電荷移送異方性を持つので、電荷移送に理想的である。電荷移送異方性は、密接な分子間相互作用により、特に結晶学的方位に沿って電子がより速く流れる現象。この場合、異方性はナノピラーに沿っている。つまり基板に垂直である。
「この構造を造るにあたって最大の課題は、分子を垂直にスタックできる適切な基板を見つけることだった。それは、学生が間違った基板を選んで、その上に結晶を成長させようとしていたときに偶然発見した」。
「一週間以上、その学生は垂直結晶を成長させており、われわれはSEMで基板の表面を画像化するまで気づくことさえなかった。小さな結晶が直立しているのを見て、われわれは衝撃を受けた。最終的にその条件を最適化し、結晶化のメカニズムを確定した」。
Briseno氏によると、垂直ナノピラーは、課題の回避にとって理想的な形態である。「電荷の分離/収集は、プラスチックデバイスに対して垂直であると、最も効率的であるからだ。この場合、われわれのナノピラーはナノグラスに非常によく似ている。われわれのシステムは、高密度アレイシステムのような草と類似の特性を共有している。つまり、垂直方向と効率的に光をエネルギーに変換する能力である」。
この技術はシンプルで、安価であり、市販のドナとアクセプタ合成物のライブラリに適用可能である。