March, 3, 2023, 大阪--大阪大学大学院工学研究科他の研究グループは、血管のような狭い空間へも挿入可能でありながら、内視鏡観察とレーザ治療光の自在な制御を同時に実現する、レーザマイクロサージェリ技術を世界で初めて開発した。
レーザ光を適切に照射できれば、周辺の生体組織への損傷を抑えつつ、病変を効率的に治療できる。レーザ治療は、低侵襲治療として様々な診療科で用いられているが、内視鏡下で安全で正確に実施するには微細なレーザ走査技術が必要になる。
今回、研究グループは、ファイババンドルスキャニング技術を応用し、血管内視鏡等に用いられる光ファイバ技術を基に、内視鏡観察とレーザスポット走査を同時に実現した。血管内のような狭隘な空間においても、病変部を観察しながら狙った箇所へレーザ照射し、レーザによる生体組織の凝固と蒸散を制御できることを示した(図1)。これにより、低侵襲なレーザ治療の適応可能な領域の拡大が期待される。
研究成果は、国際科学誌「Scientific Reports」に、2月28日(火)19時(日本時間)に公開された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)
研究グループ
大阪大学大学院工学研究科の西村隆宏助教、大学院生の三好悠斗さん(博士前期課程)、下条裕(博士後期課程)、粟津邦男教授、大阪大学国際医工情報センターの岡山慶太特任講師(常勤)