Science/Research 詳細

液体でできた微小なレーザ光源の開発に成功

February, 15, 2023, つくば/福岡--筑波大学と九州大学の研究者は、究極の柔らかさを持つ素材として液体に着⽬し、100%液体でできたレーザ光源の開発に成功した。
レーザを構成する要素の⼀部に液体を利⽤したデバイスはすでに存在する。しかし、レーザを⽣み出す容器が硬い固体でできているため、柔らかさを備えることはできない。レーザを⽣み出す容器も液体で作ろうとする試みはあったが、⼤気中で安定に利⽤できる真球形状の微⼩な液滴の作製が難しく、実現には⾄っていなかった。
研究では、室温イオン液体を⽤い、超撥⽔性表⾯を持つ基板上で、液滴を形成する条件を最適化することで、これらの問題を解決した。作製した微⼩な液滴は、基板上でほぼ真球の形状を維持できる上に、⼤気中でも蒸発が検知できないほど安定である。さらに、最も優れた有機マイクロ球体レーザと同等の性能を⽰した。液滴は極めて弱い⼒、例えば微⾵によって変形し、それに伴いレーザの性能を調整できることも明らかにした。インクジェットプリンタを利⽤すれば、多数の液滴からなるアレイの作製も可能。研究は安定な液体レーザデバイスを構築するための基本的な材料戦略を提供するものであり、新たな柔らかい光デバイスの実現につながると期待できる。

(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)