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熱傷評価に非侵襲的方法をデモ

February, 6, 2023, New York/Washington--ストーニーブルック大学(Stony Brook University.)の研究者は、非侵襲的熱傷評価にテラヘルツタイムドメイン分光学(THz-TDS)データを使う新しいネットワークモデルを開発した。チームは、熱傷の高速THz-TDSイメージング用に特に開発したハンドヘルドイメージングデバイスを新規アプローチに統合した。

同大学、研究チームリーダー、M. Hassan Arbabは、「ヘルスケアプロにとっては、最も適切な処置を行うために熱傷の深度を正確に評価することが重要である」と言う。「しかし、現状の熱傷深度評価法は、視覚や触覚検査に依存しており、信頼度が低く、60-75%の間の正確さを推移していることが分かっている。われわれの新しいアプローチは、潜在的に、熱傷重症度評価の正確さを改善し、処置計画に役立つ」。

THz-TDSは、テラヘルツ放射の短パルスを使い、サンプルをプローブする。熱傷による物理的変化が皮膚のTHz反射の変化を作り出すので、それは、熱傷評価でテストされている。

Biomedical Optics Express誌で研究チームは、人工神経ネットワーク分類アルゴリズムが、動物実験で生体内熱傷の最終的な治癒結果を93%の正確さで予測することを報告している。研究チームが使用した以前のマシンラーニングアルゴリズムと比較して、その新しい方法は、必要なトレーニングデータを少なくとも二桁減らす。これにより、それが大規模臨床試験で得られたビッグデータ処理をより実用的にする。

「2018年、米国だけで救急科で熱傷処置をした患者は約416000だった」(Arbab)。「われわれのアプローチは、外科処置計画を誘導することで熱傷治癒結果を著しく改善する可能性がある。これは、入院期間の短縮、皮膚移植の外科的処置の減少に大きな影響を与え、同時に熱傷後のリハビリテーション改善にも影響を及ぼす」と同氏は続けている。

熱傷評価の改善
様々な技術が、熱傷評価改善に向けて開発されているが、それらは、臨床に広く採用されるには至っていない。長い取得時間、高コスト、限られた浸透深さや視界などの欠点が理由である。THz-TDSは、熱傷評価に有望に見えるが、早期デモンストレーションは、分光学的計測に限定された。これは、熱傷の不均一性や空間的変化を説明しない。THz分光セットアップは、大きく、高価になりがちであり、嵩張る光学アライメントを必要とするので、実世界設定で臨床利用には非実用的になる」。

これらの課題に対処するためにチームは、ポータプルハンドヘルド分光スキャナ(PHASR)を開発した。これは、THz-TDSを使い、生体熱傷で高速ハイパースペクトルイメージング向けの使いやすいデバイスである。このハンドヘルドデバイスは、テレセントリックイメージング構成で、中心波長1560nmのデュアルファイバフェムト秒レーザとTHz光伝導アンテナを使用する。わずか数秒で37×27mm2視野の高速イメージングである」。

以前に研究チームは、THz-TDS画像とマシンラーニング技術から特徴を抽出する数値法を利用し、PHASRスキャナ計測を使用して生体熱傷の重症度を評価した。しかし、このアプローチは、熱傷した皮膚組織の物理的ダイナミクス、誘電率のマクロ的変化を考慮に入れていなかった。誘電率は、物質が電界にどう反応するかを説明している。

THz周波数で皮膚熱傷の複素誘電関数を変えるメカニズムを調べるためにチームはダブルDebye理論に眼を向けた。これにより、THz放射と様々なタイプの生体組織の相互作用説明に成功した。

重症度と治癒の予測
「われわれは、ダブルDebyeモデルを熱傷の誘電率に適用して得た5パラメタを利用してニューラルネットワークモデルを開発した。この物理ベースアプローチにより、広帯域THzパルスからのバイオメディカル診断マーカーの抽出が可能になり、人工知能モデルトレーニングのためのTHzデータの次元を減らし、マシンラーニングアルゴリズムの高率を改善する」(Arbab)。

研究チームは、皮膚熱傷の分光学画像取得し、熱傷の誘電率を計測するために、PHASRスキャナを使用してその方法をテストした。Debyeパラメタ設定後、チームはこのデータを使って、ラベル付けした生検に基づいてニューラルネットワークモデルを作成した。同モデルは、平均精度84.5%で熱傷の重症度を推定し、93%の正確さでキズの治癒プロセス結果を予測した。

研究チームによると、この技術が既存の臨床熱傷評価に組み込まれる前に、同技術とハンドヘルドイメージングデバイス両方の臨床試験が必要である。