January, 30, 2023, Québec--シングルピクセルイメージングの普及が拡大している。専用のカメラでは困難であり、また製造が高価になる非可視スペクトルで広範なアプリケーションがある。一般に、その技術は、光の2D空間パタンおよびシングルピクセルディテクタを使って画像を再構成する。
今回、カナダの研究者が、デジタルマイクロミラーデバイスとレーザスキャニングハードウエアを組み合わせた高速、再構成可能シングルピクセルカメラを開発した(Nat. Commun., doi: 10.1038/s41467-022-35585-8)。軽量再構成アルゴリズムの助けを借りて、その新しいカメラは、リアルタイムビデオを100 fps、最大12000 fpsオフラインでストリーミングすることかできる。
わずか1ピクセルでイメージング
シングルピクセルカメラは、従来の2Dセンサを使わず、代わりに光変調と遙かに経済的なシングルピクセルディテクタを活用して、画像を生成する。その独自のアプローチは、ディテクタアレイ全体の構築が実用的ではない状況でニッチを埋めることができる。そのようなデバイスは、時間飛行法(ToF) 3D形状測定、シングルフォトンイメージング、テラヘルツイメージングや他のアプリケーションに実装されている。
デバイスは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、自由に傾斜させられる微小ミラーで画像を反射させることで機能する、これにより一部の光だけが、いつでもディテクタに回される。センサ出力を記録しながら、マイクロミラーの配列をランダムに変えることで、圧縮センシングアルゴリズムを使って画像を再構成する。
「これらの多くの2D空間パタンを投影することは、最先端のDMDを使っていても、まだ時間がかかる」と、ケベック大学INRS准教授、Jinyang Liangは、話している。「したがって、ほとんどの既存シングルピクセルカメラでは2Dイメージンクスピードは、100 fps以下であり、したがってそれらは高速イメージングではない」。
高速レーザスキャニング
研究チームは、新技術により全般的なスピード向上を目標にした。これは、掃引集合パタンによるシングルピクセルイメージング加速(SPI-ASAP)と名付けられている。SPI-ASAPシステムは、他のシングルピクセルカメラと同じ動作原理を共有するが、それには革新的レーザスキャニングプラットフォームが付加されている。
まず、特殊設計により多くのエンコーディングパタンをシングルマスクに圧縮、つまり集合パタンにする。これがDMDに表示される。高速レーザスキャニングが、個々のエンコーディングマスクを、より大きな集合パタンの光学的に選択されたサブ領域として配置する。
「この方法で、パタン集合は、シングルピクセルイメージングデータ取得レートをDMDだけの変調の限界を上回る100倍以上に増強する。同時に、われわれは、まだDMDsによるパタンディスプレイの高ピクセルカウントと柔軟性を保ち続けることができる」(Liang)。
可視光を超えて見る
研究チームは、高速圧縮センシング再構成アルゴリズムも開発した。これは、リアルタイム可視化のための並列コンピューティングと完全な適合性がある。全体として見ると、SPI-ASAPシステムは、最大14.1MHzでエンコーディングパタンを投影する。これは、最大12000 fpsで再構成可能2Dイメージングオフライン、100 fpsでリアルタイムビデオ動作を可能にする。
Liangの予測では、現行のシステムは、燃焼現象、ナノマテリアルの光学特性評価に貢献する。
「SPI-ASAPは、非可視スペクトル領域を使うアプリケーションでも、一段と明るく輝く。例えば、赤外光源のSPI-ASAPは、危険な気体の高速検出を可能にし、2Dテラヘルツイメージングを高速化する大きな可能性がある」とLiangは、コメントしている。