January, 24, 2023, Bloomington--インディアナ大学(IU)の研究者は、心理学原理と革新的仮想現実(VR)技術を組み合わせて、物質使用障害のある人向けに新しい没入型理論を構築した。チームは、先頃、国立衛生研究所(NIH)から490万ドルを超える助成金を受け取り、IU付属スタートアップ会社を立ちあげて、その技術をさらに開発する。
IU医学部精神医学准教授、Brandon Oberlinをリーダーとする研究チームは”未来の自分アバター”を使って仮想環境を構築し、人々の物質使用障害からの回復を支援する。これらアバターは、等身大であり、非常に生き生きとしていて、ほぼ写真のようにリアルである。人々は、そのアバターと会話することができる。アバターは、選択的未来の個人情報を使って同じ音声で話す。
「VR技術は、臨床的に効果があり、様々なメンタルヘルス状態治療のためにますます一般的になる。恐怖症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、術後の痛みなど。とは言え、物質使用障害介入あるいは回復では、まだ広範に利用されていない」とOberlinは言う。「そうでなければ不可能なシナリオを示すVRの没入体験を提供する能力を利用してわれわれは、物質利用や回復のコンテクストで未来の自分の異なるバージョンと交流する方法を実現した」
インディアナポリスの治療センタと共同で4年の開発とテストの後、Oberlinとチームのパイロット研究は、Discover Mental Healthに発表された。その成果の示唆するところは、想像上の現実のVRシミュレーションは、再発率を下げながら、また参加者の未来の自分とのつながりを強めることで物質使用障害の回復に役立てられる、と言うことである。
「この体験により、回復した人々は、選択の結果としての別の未来で、個人化された仮想体験を持つことができるようになる」(Oberlin)。「これは、初期の物質使用障害の回復への画期的な介入となり得るとわれわれは考えている。恐らく、メンタルヘルスへのさらなる応用となる」。
同技術は、再発のリスクが高い重要な時期である、早期回復の人々に特に適している。没入体験は、未来の自分とのつながりを深めることで患者が一時的な満足に長期的報酬を選ぶことに役立つからである、と同氏は説明している。
過去5ヶ月、Oberlinのチームは、研究を進めるために、国立衛生研究所(NIH)の連邦科学研究機関である国立薬物乱用研究所(NIDA)と国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)から490万ドルを超える助成を受けている。これには、中小企業技術移転フェーズⅠからの$319,542が含まれる。
助成金は、再発防止、脳活性化、物質使用障害治療に関係する他の重要な要素の有効性をテストするために設計された臨床試験をサポートする。Oberlinによると、参加者が自宅で利用するワイヤレスヘッドセットを介して遠隔でVR体験を提供する研究が一つある。メンタルヘルス介入のリモートデリバリは、本人が臨床現場に関わることができない、あるいはその意志がない人々への差し迫った必要性に対処する。
「われわれの研究の最終的な目標は、早期回復をサポートするために治療体験を提供するために最先端のVR技術を活用することである。再発のリスクが高いことがはっきりしている非常に危険な時期である」(Oberlin)。
(詳細は、https://research.impact.iu.edu/)