January, 20, 2023, Espoo--アールト大学(Aalto University)のShruti Dogra, John J. McCord, とGheorghe Sorin Paraoanuは、量子世界と古典的世界の接続を探求する研究で、相互作用のない実験を行う新しい、遙かに効果的な方法を発見した。
チームは、トランスモンデバイス(相対的に大きいが、それでも量子挙動を示す超伝導回路)を使って、古典的装置が生成するマイクロ波パルスの存在を検出した。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。
「量子性」付加層で実験
Dogra とParaoanuは、Zeilingerの研究グループの成果に引きつけられたが、チームのラボは、レーザとミラーの代わりにマイクロ波と超伝導体を中心にした。「われわれは、超伝導デバイスに利用できる様々な実験ツールにその概念を適用しなければならなかった。そのため、われわれは、決定的な方法で標準的な相互作用のない手順を変更しなければならなかった。次に、リソースとして結果としての三準位系の量子コヒレンスを使った」(Paraoanu)。
量子コヒレンスとは、物体が異なる2つの状態を同時に占めることができる可能性。量子物理学が許容するものである。しかし、量子コヒレンスは繊細で、簡単に崩壊するので、新しい手順が機能することは直ぐには明らかにならなかった。チームは、何度も設計ボードに戻って、結果を確認する理論モデルを走らせ、全てを再確認した。効果は、間違いなくそこにあった。
「われわれは、非常に低出力のマイクロ波パルスでさえ、われわれの手順を使って効率的に検出できることも実証した」(Dogra)。
その実験は、古典的なデバイスで不可能な結果を量子デバイスが達成できる新方法も示した。量子優位性として知られる現象である。研究者は、量子優位性達成には、多くのqubitsを持つ量子コンピュータが必要であると一般に信じているが、この実験は、比較的簡素なセットアップを使って、本物の量子優位性を実証した。
多くのタイプの量子技術に潜在的なアプリケーション
効果が劣る古い方法論に基づいた相互作用のない計測は、光イメージング、雑音検出、暗号キー配信などの特殊プロセスですでにアプリケーションがある。新しい、改善された方法は、これらプロセスの効率を飛躍的に高める。
「量子コンピュータでは、われわれの方法は、特定の記憶素子でマイクロ波-フォトン状態の診断に適用できる。これは、量子プロセッサの機能を乱すことなく情報を抽出する非常に高効率の方法と見なせる」とParaoanuは、コメントしている。
Paraoanuをリーダーとするグループは、その新しいアプローチを使って情報処理の他の新規形式も探求している。反事実コミュニケーション(双方が、物理的粒子転送なしで通信すること)、反事実量子コンピューティング(コンピュテーションの結果が、実際にコンピュータを走らせることなく得られる)など。
(詳細は、https://www.aalto.fi)