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コロンビア工学チーム、最長、高伝導性分子ナノワイヤを作製

January, 12, 2023, New York--2.6nm長単一分子ワイヤは、準金属特性を持ち、ワイヤ長が長くなるにつれて伝導率の異常増加を示す。その優れた伝導性は、分子エレクトロニクス分野で極めて有望である。

デバイスがどんどん小さくなるにつれて、電子回路で主構成要素としての分子の利用は、かつてなく重要になっている。過去10年、研究者は単一分子を導線として使おうとしてきた。小さくて、電気特性がはっきりしており、チューナビリティが高いからである。しかしほとんどの分子ワイヤでは、ワイヤの長さが増すにつれてワイヤで伝送される電子の効率が急激に低下する。この制約のために長い分子ワイヤ、実際に電気をよく通すナノメートルを超えるワイヤの構築は特に難しくなっている。

コロンビア大学の研究チームは、2.6nm長のナノワイヤ作製を発表した。これは、ワイヤ長が増すにつれて伝導性が異常に増える、また準金属特性を持つ。その優れた伝導性は分子エレクトロニクス分野にとって極めて有望であり、電子デバイスをかつてなく微小にすることができる。研究成果は、Nature Chemistryに発表されている。

分子ワイヤ設計
コロンビア工学部と化学部の研究チームは、ドイツの理論家、中国の合成化学者とともに両端のいずれかで不対電子をサポートする分子ナノワイヤ設計を研究した。そのようなワイヤは、端まで伝導性が高く、中央では絶縁であるトポロジカル絶縁体(TI)に類似の1次元を形成する。

最も単純な1D TIは炭素原子だけでできており、末端炭素がラジカル状態をサポートする不対電子である。これらの分子は一般に、非常に不安定である。炭素は不対電子を嫌う。ラジカルが存在する末端炭素を窒素で置き換えると、分子の安定性が向上する。「これにより、1D TIsは、炭素鎖できているが、遙かに安定性が高い窒素で終端している、またわれわれは環境条件下、室温でこれらを取り扱うことができる」とチームの共同リーダー、応用物理学Lawrence Gussman教授、科学教授、Latha Venkataramanは説明している。

指数関数的減衰則の破壊
化学的設計と実験の組合せにより、グループは、一連の1D TIsを造り、指数関数的減衰則、電流値に比例するレートで減少する量のプロセスの式の破壊に成功した。2つのラジカルエッジ状態を使い、研究チームは、分子による光伝導経路を造り、「逆コンダクタンス減衰」を達成、つまり、配線長の増加によるコンダクタンス増である。

「実際に素晴らしいことは、われわれのワイヤが、ゴールド金属-金属接点と比べて同じスケールでコンダクタンスを持つことである、つまり分子自体が擬似金属特性を示すことを示唆している。この研究は、有機分子が、単一分子レベルで金属のように振る舞うことの実証である。これは、過去の研究とは対照的であり、そこでは非常に弱いコンダクティングだった」(Venkataraman)。

研究チームは、ビス(triarylaminesトリアリールアミン)分子シリーズを設計、合成した。これは化学酸化により1 D TIの特性を示した。チームは、分子がソースとドレインの両方に接続された単一分子ジャンクションのコンダクタンス測定を行った。測定により、チームは、より長い分子のコンダクタンスが高いことを示した。これは、ワイヤが2.5nm以上の長さまで機能する。これは人のDNA鎖の径である。

分子エレクトロニクスのさらなる技術進歩の土台構築
「Venkataranmanラボは常に、単一分子デバイスの物理学、化学、工学の相互作用を理解しようとしている。したがって、これらの特殊な配線の作製は、これら新システムによるトランスポートの理解に大きな科学的進歩の下地を作る。われわれの成果が、基礎物理学だけでなく、今後の潜在的なアプリケーションを解明すると考えている」と論文の共同筆頭著者、ラボのPh.D学生、Liang Liは、コメントしている。

グループは現在、さらに長く、それでも高い伝導性を備えた分子ワイヤ構築のための新しい設計を開発している。
(詳細は、https://www.engineering.columbia.edu)