January, 6, 2023, Tel Aviv--新発見の分子が、利用しやすく効果的なガン免疫療法を可能にするかも知れない。
テルアビブ大学とリスボン大学の研究者は、新しい免疫療法を発見したかも知れない。これは、手が届きやすい、より効果的な治療につながる可能性がある。免疫療法は、患者の免疫系を活性化してガン細胞と闘う。
ガンと闘うこの重要なステップでは、研究チームは、固体腫瘍に侵入できる微小分子発見のためにコンピュータおよび生物情報学システムを使った。低分子量により、その分子は、今日多くのガン免疫療法で重要コンポーネントとして使われている既存の抗体よりも性能が優れている。その分子は、いずれ錠剤の形で管理できるほどに小さく、病院へのストレスの多い、時間がかかる通院が不要になる。
効果的な免疫療法を利用可能に
免疫療法は、化学療法などの処置にともなう重度の副作用なしに患者の快復率を著しく改善できる。免疫療法は、抗体を使うことがよくある、これは感染を引き起こす生物を殺すために免疫系が生成するタンパク質と同じである。しかし、ガンと闘うために作られるラボ成長の抗体は、成功を実証したこともあるが、高価であり、必ずしも効果的であるとは限らない。
これらの課題を考慮して、TAUとリスボン大学の研究者は、コンピュータ、生物情報学およびデータ分析ツールを使用して、数千の分子構造を評価した。チームは、潜在的な候補リストを発見し、その新しい小分子を合成するために見つけたベストの構造を使用した。これら、ラボモデルにおけるガン細胞に対して免疫細胞活性化に成功したものである。これには、患者由来のものも含まれる。
この小さな分子の生成は、ノーベル賞受賞者、James AllisonとTasuku Honjoの研究を基盤にしている。両氏は、それぞれ独自にCTLA-4 と PD-1を開発した。これらは、今日のガン免疫療法で使用されている。両氏は、免疫細胞が、ガンと免疫細胞に見つかった特別なタンパク質によって基本的に機能停止にされていることを発見した。PD-L1というタンパク質は、ガン細胞に発見され、PD-1というこれらの細胞のタンパク質と結びつくことで免疫細胞を無効にする。Honjoの抗体は、PD-1/PD-L1タンパク質結合を無効にするので、免疫系がガンを攻撃できるようになる。
TAU研究チーム長、Satchi-Fainaro教授の説明によると、ラボで成長させた抗体が複雑な構造であり、作製が高価であるのに対して、新しい分子は、簡単な装置で低コスト合成できた。「将来、その小さな分子は、市販され、ガン患者にとって免疫療法は手頃な価格になる」。
小分子は、以前の処置よりも固体腫瘍への浸透性が優れている。現在の治療で使用される抗体は、血管経由で腫瘍に入る。「腫瘍の特定領域に血管が少ないと、抗体は内部に入れない。他方、小分子は、拡散する。したがって、腫瘍の血管に全く依存しない、その超透過性にも依存しない」とSatchi-Fainaro教授は説明している。「小細胞のもう1つの利点は、恐らく、患者が、経口的に家に持ち帰る形で利用できるかも知れないことだ。病院で静脈注射の必要性はない」。
(詳細は、https://english.tau.ac.il/)