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Twenteのフォトニックチップ、記録破りの周波数ダイナミックレンジ

December, 26, 2022, Enschede--トゥエンテ大学の研究者は、記録破りのダイナミックレンジを持つ革命的なプログラマブル集積マイクロ波フォトニックフィルタを開発した。これは、無線フォトニック信号プロセッサの機能とパフォーマンスの組合せにおける大きなブレイクスルーである。

研究の著者の一人、Dr David Marpaungは、「われわれの研究は、従来の集積、機能と性能の断片化したアプローチを打破するものである。これは、現在、実際のアプリケーションでこれらフォトニックシステムの採用を阻んでいる。従来のRFフィルタは、狭い周波数範囲でしか機能しない。つまり、ブロードなオペレーションでは複数の個別のフィルタが必要になる。われわれのデバイスは集積されてあり、広帯域、またダイナミックレンジが非常に優れているので、様々な周波数範囲に単一のフォトニック回路を使うことができる」と説明している。

記録的な低雑音指数
研究チームは、特殊なツール、いわゆる変調トランスフォーマを使用して、光波とRF信号の強度とタイミングを調整した。これは、チップノイズとダイナミックレンジ性能を強化する。単一のマイクロ波フォトニクス回路でこれらの要素を統合することで、チームは、プログラマブルフィルタ機能を実証できた。雑音指数は15dBの記録的な低さ、1Hz帯域で123dBを超える超高ダイナミックレンジ。これは、完全な静寂とロックコンサート間のノイズレベルと同じレンジである。

多くのアプリケーション
研究チームによると、そのフィルタは、現代のRFおよびマイクロ波アプリケーションで重要な役割を担う。これに含まれるのは、コグニティブ無線、マルチバンド全スペクトル通信、ブロードバンドプログラマブルフロントエンド。この発見の前、そのような先進機能を備えたプログラマブルマイクロ波フォトニック回路は、性能が貧弱だった。「チップの多用途プログラマブルは、信号のロス、ノイズ、歪のような様々な異常に簡単に屈する」とMarpaungは、説明している。

これを防ぐために研究チームは、プログラマブル共振器と干渉計を使って、ノイズと非線形歪をともに低減する。同時に、多数のフィルタリング機能を提供している。「この雑音指数とダイナミックレンジを解決することは、マイクロ波フォトニクスで最も困難な課題の一つである。このブレイクスルーは、集積マイクロ波フォトニクス、非常に高いパフォーマンスを達成できることを証明している。これは、例えば、次世代通信システム(6G)やサテライト通信でこの技術の採用に役立つ」とMarpaungは、コメントしている。
(詳細は、https://www.utwente.nl/)