December, 19, 2022, Washington--Korea Universityの研究者は、多数の高密度ナノレーザアレイを駆動する新しいオールオプティカル法を開発した。同アプローチにより、今日の電子ベースデバイスよりもデータを高速に処理、移動させるチップベース光通信リンクが可能になる。
「高密度ナノレーザを持つ光インタコネクトの開発は、インターネットで情報を転送するデータセンタにおける情報処理を改善する。これにより、超高精細ムービーのストリーミング、大規模双方向オンライン会合やゲームが可能になり、IoTの拡大を加速し、ビッグデータ解析に必要な高速接続が実現する」とKorea Universityの研究チームリーダー、Myung-Ki Kimは説明している。
Optica誌で研究チームは、レーザ間隔わずか18µmの高密度ナノレーザアレイが、1本の光ファイバからの光でフル稼働し、プログラム可能であることを実証している。
「チップに集積された光デバイスは、今日のデータ処理要求について行くのに苦闘している電子集積デバイスの有望な代替となる」とKimは言う。「レーザアレイ駆動に一般に使われている大きくて複雑な電極を除去することでわれわれはレーザアレイ全体の寸法を削減し、同時に電極ベースドライバにつきものの発熱や処理遅延もなくした」。
光で電極を置き換える。
新しいナノレーザは、光集積回路システムで使用できる。これは、光によりマイクロチップ上で情報を検出、生成、転送、処理する。電子チップで使われている微細銅線の代わりに光回路は、導波路を使用する。これは遙かに高帯域であり、発熱も少ない。しかし、光集積回路のサイズは、急速にナノメートル範囲に達するので、ナノサイズ光源を効率的に駆動、制御する新方法が必要になる。
発光するためには、レーザは、励起プロセスでエネルギー供給を必要とする。ナノレーザアレイでは、これはアレイ内の各レーザに一対の電極を使用することで一般に達成される。これは、かなりのオンチップスペースとエネルギー消費を必要とし、同時に遅延の原因となる。この重要な制約を克服するために研究チームは、これらの電極を干渉により光のプログラマブルパタンを作る独自の光ドライバで置き換えた。この励起光は、ナノレーザがプリントされている光ファイバを伝播する。
このアプローチを実証するために研究チームは、高分解能転写印刷技術を利用して、18µm間隔のマルチフォトニック結晶ナノレーザを作製した。これらアレイは、2-µm径の光マイクロファイバ面に適用されている。これは、干渉パタンによりナノレーザアレイが精密配置されるように行わなければならなかった。干渉パタンは、駆動ビームの偏光とパルス幅を調整することで変更可能である。
1本の光ファイバでレーザ駆動
その設計により、マルチナノレーザアレイが1本の光ファイバを伝播する光を使って駆動できることを実験は示した。結果は、数値計算とよく一致しており、プリントされたナノレーザは、励起光干渉パタンにより完全に制御できることを示している。
「われわれのオールオプティカル駆動およびプログラミング技術は、チップベースSiフォトニクスシステムにも適用可能である。これは、チップ間あるいはオンチップ光インタコネクトの開発で重要な役割を担っている。とは言え、Si導波路のモードを独立に制御する方法の証明が必要になる。これができると、オンチップ光インタコネクトや光集積回路での大きな飛躍となる」とKimはコメントしている。