November, 28, 2022, Indianapolis--インディアナ医科大学の研究者は、免疫細胞の遺伝子の欠陥がアルツハイマー病の進行をどのように方向付けるかを研究している。
Molecular Degeneration誌の研究によると、アルツハイマー病の病気動物モデルにおける変性疾患に関連するミクログリア遺伝子CX3CR1の欠如が悪化した病状、脳におけるプラークの蓄積になった。その遺伝子の欠如は、脳の免疫細胞、ミクログリアの動きをプラーク形成の方へ悪化させた。
「この研究はアルツハイマー病におけるミクログリアが、CX3CR1の欠如で疾病経過において早期に機能不全に陥っていることを示している。また、この機能不全は、次々と起こる脳における神経毒性イベントになる」と医学、分子遺伝学研究助教、Shweta Puntambekar, MS, PhD,は説明している。「もっと広い研究界では、この研究は、病気の早期にこの細胞をわれわれがどのように標的にできるかを正確に指摘している。目的は、脳においてその病気がどう進行するかを調節し、究極的にはアルツハイマー病における認知転帰を調節することである」。
CX3CR1は、過去に人と動物の研究で、ミクログリアが活性化されると、神経変性疾患で減少することが示されている。CX3CR1-V249I、機能損失遺伝子変異体が初めて特定され、黄斑変性と関連付けられ、後にアルツハイマー病やALSにおける神経変性と関係していることが示された。2020年、Puntambekarと同氏の共同研究者は、アルツハイマー病におけるCX3CR1の役割を研究するために国立老化研究所助成金300万ドルを獲得した。
論文の筆頭著者Puntambekarによると、その研究は、一般に神経変性疾患と関連付けられている脳内の特徴的タンパク質、アミロイドベータとタウとの関連に注目している。アミロイドベータタンパク質は凝集し、プラークを形成する、これが神経細胞の接続を破壊する。すると、タウは、アミロイドプラーク後に脳内に生じる。
「研究は、アミロイドとタウ間だけでなく、ミトコンドリアが病気のプロセス全体の形成方法も関連付けた」(Puntmbekar)。
この遺伝子がない場合、ウイルス、毒性物質、損傷した神経に対する防衛最前線として機能するミトコンドリアは、タンパク質をきれいにするためにプラークに近づけない。これは、病気の初期に起こり、さらに多くの神経毒性イベントにつながる。病気の後のステージでは、別の毒性種、アミロイドベータや悪化したタウの集積などである。
Puntmbekarによると、その種のアミロイドベータの中には、「不溶性」プラークとして脳内に沈着しないものもある。しかし、可用性プラークとして脳内に蓄積し、認知低下にも関連していることが示された。これらの種は、CX3CR1が欠如している場合に増加した。
脳内のアミロイドベータタンパク質を標的にするほとんどの治療は、不溶性プラークに焦点を合わせているが、何年もの間、臨床試験で薬は効果がないことが証明されている。
「この新しいデータセットでわれわれは、アルツハイマー病の治療の限られた臨床効果は、正しいアミロイドベータ種を標的にしていないことによるものであるかどうか、またよりよい認知結果を得るために他の可用性種標的を始めるべきかどうかを問い始めている」とPuntmbekarはコメントしている。
(詳細は、https://medicine.iu.edu/)