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触手ロボット、脆弱な物体を優しくつかむ

November, 14, 2022, Cambridge--今日のほとんどロボットグリッパは、オペレータの技量とともに、内蔵センサ、複雑なフィードバックループ、先端マシンラーニングアルゴリズに依存することで、脆弱で不規則な形状の物体をつかむ。HarvardSEASの研究者は、簡単な方法を実証した。

自然からヒントを得てチームは、新しいタイプのソフトなロボットグリッパを設計した。これは、細い触手の集合を使って物体を巻き込み、捉える。クラゲが、驚いた獲物を捕まえる仕方と同じである。単独では、個々の触手つまりフィラメントは弱い。しかし、いっしょにするとフィラメントの集合は、重く、奇妙な形状の物体をつかみ、確実に保持できる。グリッパは、物体を包み込むために簡単な膨張に依存しており、センシング、計画、フィードバック制御を必要としない。

研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)に発表された。

「この研究でわれわれは、われわれが物体と相互作用する仕方を考え直したかった。ソフトロボットの自然な適合性を活用し、適合構造でそれを強化することで、その部分の総和よりも大きなグリッパ、最少の計画と感覚で複雑な、幅広い物体に適合できるグリッパを設計した」と論文の筆頭著者、Kaitlyn Beckerは説明している。同氏はSEASの前院生、ポスドクフォロー。現在は、MIT機械工学准教授。

グリッパの強度と適合性は、それがつかもうとしている物体にそれが絡みつく能力から来ている。1フット長のフィラメントは、中空、ゴムチューブ。チューブの片側は、他方よりも厚いゴム。チューブが加圧され、それがピグテールのように、あるいは雨の日のストレートヘアのようにカールする。

カールは結び目を造り、相互に、また物体に絡みつく。個々のもつれが把捉力を強める。集合的把捉は強いが、各接触は、個別には弱く、最も脆弱な物体にも損傷を与えない。物体を解放するには、フィラメントが減圧されるだけでよい。

研究チームは、そのグリッパの有効性をテストするためにシミュレーションと実験を利用し、幅広い範囲の物体、鉢植え植物や玩具などを取り上げた。グリッパは、実世界のアプリケーションで利用可能である。農業生産や流通で柔らかな果物や野菜、医療現場では繊細な組織、ガラス製品など、倉庫で不規則な形状の物体でさえつかむことができる。

この新しいアプローチは、絡み合ったフィラメントのトポロジカル力学についてのL. Mahadevan教授の研究とソフトロボットグリッパについてのRobert Wood教授の研究を統合したものである。

「絡み合いは、ターゲット物体に局所的に適合する非常に柔軟な各フィラメントを可能にし、安全で柔らかなトポロジカル把捉ができるようになる。これは、接触の性質の細部とは相対的に独立である」とMahadevanは、説明している。同氏はSEASの応用数学Lola England de Valpine教授。FASの有機体と進化生物学、物理学教授、論文の共同責任著者。

「ロボット把捉へのこの新しいアプローチは、複雑な制御戦略を必要とする簡素な、従来のグリッパを、極めて適応的で、形態学的に複雑なフィラメントで置き換えることで既存のソリューションを補完する。新アプローチは、非常に簡単なコントロールで動作可能である。このアプローチは、ロボットグリッパで取り上げることができるものの範囲を拡大する」とWoodは話している。同氏は、論文の共同責任著者、工学・応用科学Harry Lewis and Marlyn McGrath教授。
(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)