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DTU、チャルマーズ、単一レーザと光チップで1.8 Pbps伝送

November, 9, 2022, Chalmers--デンマーク工科大学(DTU)、チャルマーズ技術大学の国際研究グループは、単一ファイバと単一光チップだけを使用して1.8Pbps伝送世界記録を樹立した。
 研究グループの代表Victor Torres Companyがチップを開発、製造した。「このチップは、光ファイバ通信に理想的な特性をもつ周波数コムとなる」と同氏は話している。

比較すると、1.8Pbpsは、世界のインターネットトラフィックの2倍に相当する。同じスピードを現在最先端の商用装置で達成するには、1000を超えるレーザが必要になる。

この成功の基盤には光源、特殊設計の光チップがある。これは、単一の赤外レーザからの光を使って、周波数のレインボースペクトルを造ることができる。各色(周波数)は、分離可能であり、データを刻み込んで、次に再構築され光ファイバで伝送される、つまりデータを伝送する。

「チャルマーズでは、われわれは、約10年、執拗にシリコンナイトライド(SiN)導波路を開発してきた」とMC2のVictor Torres Companyは言う。同氏は、そのチップを開発、製造した研究グループ長。

この種のチップ開発に関する研究の重要要素は、いわゆる“Q factor”、品質ファクタである。それは、光損失を計測する物理的特性、Qファクタが高ければ高いほど、損失は低い。

「2019年以来われわれは、世界で、10ミリオンを超える光品質の集積マイクロ共振器を製造できる数少ないグループの1つである」(Victor Torres Company)。

興味深いことに、そのチップは、この特殊アプリケーションに最適化されていなかった。実際、特性パラメタの中に偶然達成されたものがあり、設計によってではない。

エクサビットも手が届く範囲に
「とは言え、チームの努力により、われわれは、今ではプロセスをリバースエンジニアすることができ、通信目標のアプリケーション向けに高い再現性のマイクロコムを実現できる。われわれは現在、この新しい、より再現性があるマイクロコムの特性の理解に向かって進んでいる。これは、われわれが‘フォトニック分子’と言っているものに基づいている。それらが、将来、エクサビットのスピード達成というビジョンを可能にすると考えているからである」(Victor Torres Company)。
(詳細は、https://www.chalmers.se/)