November, 4, 2022, Berlin--目の網膜剥離は、視覚障害、さらに失明に至る。レーザ凝固は、レーザポインタを使用して網膜の孔や亀裂を処置する確立された方法である。この技術は、糖尿病性網膜症、AMDなど病気治療に使用されている。しかし、現在利用されているシステムは、かなり高価であり、わずかなレーザ波長に限定されている。
これは、Ferdinand-Braun-Institut (FBH)の半導体ベース、特に効率的で高信頼のレーザ光源による変更ができる見通しである。光源は、最適波長に柔軟に調整でき、効率的なコストを実現できる。ごく最近、FBHの研究者は、近赤外(NIR)波長範囲の小型、ロバストな光源を開発した。これは、高いスペクトル輝度、産業アプリケーションに最適な性能である。光源は、NIRスペクトル範囲から非線形結晶を使って変換できるポンプレーザで構成されている。この第二次高調波発生(SHG)は、波長を半分にする。結果、レーザは可視光スペクトル範囲で放射する。レーサ凝固用の現在の波長は、特に532nmと577nmを使用する。したがって、FBHポンプモジュールは、イエロー-グリーンスペクトル範囲でこれらの確立された波長をターゲットにしている。577nmを放出するレーザは、眼科には特に興味深い。酸素豊富な血液色素、つまり酸素ヘモグロビンは、この波長で吸収が最も強いからである。
高効率SHG段後のポンプ光源として独自の小型光モジュールの組合せにより、400nm~600nmの全スペクトル範囲をカバーできる。対照的に、以前の固体レーザシステムの波長は、52nm、561nm、577nmおよび586nmレーザラインに限られる。さらに、レーザダイオードと増幅器は、ウエファで量産可能であり、したがってコストを下げる。例えば、径7.6㎝、3ーインチには、これらのアクティブコンポーネントが400個収まる。
レーザ光源の詳細
スペクトル的に狭帯域な、1154nmと1064nmポンプ光源は、優れたビーム品質の高い光出力である。後のイエローーグリーンスペクトル域への周波数倍増は、簡素化される。これは、今までレーザ凝固に使用されている、より複雑な光源と比べてコストと重量の削減となる。可搬であり、外来環境でシステムのそれぞれに応じた柔軟な利用も可能になる。
ポンプレーザとして光モジュールの適性を実証するためにFBH研究チームは、別々のレーザビーム生成(主共振器-MO)とパワー増幅(パワーアンプリファイア-PA)のモジュールプロトタイプを開発した。商用の小型アイソレータを2つのコンポーネントの間に組み込み、レーザ(MO)を外部帰還から完全に保護した。これは、導波路のSHG結晶で非常に高く(> 1%)なり、MOとの干渉を強くできる。わずか25㎜×25㎜の小型フットプリントにも関わらず、モジュールは、1064nm、1156nmの連続波(CW)モードで8 W以上の光出力を達成している。同時に、非常に優れたビーム品質M2 < 2とスペクトル線幅< 5 MHzを達成している。この性能は、他の波長にも移転可能である。 (詳細は、https://www.fbh-berlin.de)