September, 22, 2014, Manchester--マンチェスター大などの研究グループは、レーザ光と特殊グラフェンを相互作用させ、冷却できることを示した。
この技術はグラフェンの電子デバイスにレーザ光を照射するだけで冷却し、高速動作させることができることを示している。
実験では、研究グループは2スタックシートを用いたが、そのうちの1つは他方に対して11.3°回転させている。レーザは一般に、熱したり燃やしたり、金属を溶かすために用いられるが、この「ねじれ2層グラフェン」は極めて珍しい特徴を持っている。ねじれ角とレーザエネルギーとの特別な組合せで全く反対のことが起こる。
マンチェスター大ナノ機能材料グループ、アラヴィンド・ヴィジャヤラガヴァン博士(Dr Aravind Vijayaraghavan)は、「どんな材料でも熱は原子振動に蓄積される。冷たい材料と比較すると、熱い材料では、原子の振動は速い。特別なエネルギー(色)のレーザがこのねじれグラフェンに照射されると、レーザの光粒子(フォトン)が原子の振動エネルギーを吸収し、系を冷却する」と説明している。
研究グループのPhD学生、Nick Clarkは、この特殊グラフェンがどのように造られるかを説明する。「粘着テープを使ってグラフェン片を造るとき、その中にエッジが直線のものがあり、これは原子が整列する方向を示している。われわれはそのようなグラフェン片を2つ見つけ出し、ストレートエッジが固定角になるようにそれらを整列させた。われわれが必要とする角度は、これから使用することになるレーザの色(波長)に依存する」。
ヴィジャヤラガヴァン博士によると、この新しい発見には非常に大きな技術的示唆がある。「コンピュータチップが高速動作すると、それは非常に熱くなる。これは、グラフェンで造られた将来のコンピュータチップでも同じことだ。もしチップを冷却できるなら、チップの動作はもっと高速になる。現在、空調、冷却水、あるいは液体窒素を使ってコンピュータを冷却している。将来のグラフェンコンピュータは、それにレーザを照射することで冷却されるようになる」と同氏はコメントしている。