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昆虫に触発された全方向光センサ

September, 19, 2014, Washington--6角形の凸型パタンに配置された複眼は、数100の個眼で構成されており、これによってハエはほぼ360°の広視野を持つ。これを念頭に置いてペンシルバニア州立大学の研究チームは、この構造を利用した微小発光デバイスや光センサを造ろうとしている。
 複眼の光学特性についての理論分析は、先端が細くなった200nmの個眼突起がによって複雑になった。これは、光の散乱が予測できないために、その微小サイズのシミュレーション計算がほぼ不可能になっているからである。
 その構造の光散乱特性をテストするために研究チームはクロバエから角膜を取り出し、蛍光ポリマとしてよく知られている、900nm厚のトリス(8-キノリノラト)アルミニウム層でそれをコーティングした。次に、それにUV光を当て、改良面から可視光を発光させた。
 同じようにコーティングした平坦面と比べると、その改良個眼は発光の角度依存性が少ないことが示された。これは、個眼がより均一に光を全方向に散乱させていることを意味する。
 「眼にコーティングすることで、発光を改善し、発光の角度分布を改善することができた」と同大学材料科学・工学Martin-Palma非常勤教授はコメントしている。
 ハエのミクロンスケール、ナノスケール複眼の位置と構造により広視野が実現する。この発光増加と角度分布は、ハエの角膜パタンが極微小LEDやディテクタに直ちに適用できることを意味する。つまり、驚くほど広視野で入出力光を処理できるということである。
 実験で使用した角膜はミバエから取ったが、Martin-Palma氏のチームは、光源を造るためにハエを大量に採ることはないと言っている。
 「すでにナノスケールで複製バイオテンプレートを量産する技術を開発しており、これには昆虫の複眼も含まれる。したがって、100個のバイオ複製眼を造りたいときに、50匹のハエを殺す必要はない。1つのテンプレートが大量に複製できるからだ」。
 次のステップは他の種類の複眼を含めるようにコーティング手順を拡張すること。目的は、全方向発光に適した構造を特定することにある。将来的には、複眼形状でLEDを造り、最終的には全方向光検出器を作製する。