Science/Research 詳細

貴金属・有害物質を含まない材料で構成した回路・電池で通信信号の生成に成功

October, 14, 2022, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)と東京大学は、低環境負荷な材料のみで構成した電池(低環境負荷電池)と回路(低環境負荷回路)を用いてPoC(Proof of Concept)のためのセンサ・デバイスを作製し、世界で初めて通信信号を生成することに成功した。

IoT(Internet of Things)の進展に伴い、ありとあらゆるモノがデバイス化していくようになると、デバイス自体の存在に気づきにくくなり、そのまま一般ゴミとして捨てられる恐れがある。
 NTTは、回収・分別・廃棄の問題に対応するため、廃棄時においても環境・生物への影響が小さい材料を選択したデバイスの研究開発を推進してきた。これまで、2018年に、肥料成分と生物由来材料から構成した、「ツチニカエルでんち」を作製することで、低環境負荷電池のコンセプトを実証している

今回、NTTと東京大学は、貴金属を含まず、かつ、環境経由で人間や動植物に影響を与える恐れのある化学物質群を使用しないという考え方で、低環境負荷電池の高度化を進めるとともに、有機半導体技術を適用した低環境負荷回路を作製し、回路動作を確認した。
 また、低環境負荷回路と低環境負荷電池を組み合わせ、世界で初めて通信信号の生成に成功した。

研究成果の一部についてはScientific Reportsに2022年10月7日に掲載された。
(詳細は、https://www.k.u-tokyo.ac.jp)