September, 27, 2022, Amherst--マサチューセッツ大学アマースト校(UMass Amherst)とジョージア工科大学(Georgia Tech)の研究チームは、、二重相、ナノ構造高エントロピー合金を3Dプリントした。れは、他の最先端AM製造の強度と延性を上回る。航空宇宙、医療、エネルギーや輸送におけるアプリケーションで高いパフォーマンスコンポーネントにつながる。
研究成果は、Natureに発表された。
過去15年で、高エントロピー合金(HEAs)は、材料科学における新しいパラダイムとして、ますます人気が出てきた。均等な割合で5またはそれ以上の元素を組合せ、無限に近い数のユニークな合金設計の組合せを作製できる。従来の合金、真鍮、炭素鋼、ステンレススチールや青銅などは、1つあるいはそれ以上の微量の元素を組み合わせた主要元素を含む。
積層造形、3Dプリンティングは、材料開発の強力なアプローチとして最近、登場してきた。レーサベースの3Dプリンティングは、従来のルートでは直ぐに利用できない大きな温度勾配や高い冷却速度を可能にする。AMとHEAsの統合された利点を新しい特性達成に利用する可能性は、概ねまだ開拓されていない」(Ting Zhu)。
マルチスケール材料&製造ラボのWen Chenとそのチームは、HEAと最先端の3Dプリンティング技術、レーザ粉末床溶融を組み合わせて、前例のない特性を持つ新しい材料を開発した。そのプロセスは、従来の冶金と比べて、材料を急速に溶かし、固化するので、作製されたコンポーネントで「均衡とはほど遠い極めて異なるマイクロ構造が得られる」。このマイクロ構造は、網のようであり、ランダム配列のマイクロスケール共晶集団に埋め込まれた、面心立方(FCC)と体心立方(BCC)ナノラメラ構造の交替層でできている。その階層的ナノ構造HEAは、2層の協調変形を可能にする。
「この並外れたマイクロ構造の原子再配置により超高強度と強化された延性が得られる。これは、稀である。通常、強い材料は脆くなる傾向があるからだ」。UMass Amherstの機械・産業工学准教授、Wen Chenは、従来の鋳造と比較して、「われわれは、ほぼ3倍の強度を獲得した。延性を失わないだけでなく、実際、同時にそれを強化した。多くのアプリケーションにとって、強度と延性の組合せは重要である。われわれの成果は、オリジナルであり、材料科学とエンジニアリングの両方にとって素晴らしいことだ」と話している。
「強力で延性のあるHEAsを製造できることは、これらの3Dプリントされた材料が、変形抵抗においてより堅牢になると言う意味である。これは、機械的効率と省エネ強化のための軽量構造設計に重要である」と論文の筆頭著者、ChenのPh.D学生、Jie Renは説明している。
ジョージア工科大学のTing Zhu教授のグループが、研究のコンピュータモデリングを主導した。同氏は、二重相結晶可塑性コンピュータモデルを開発した。FCCとBCC両方のナノラメラの機械的役割、それらが協働してどのように材料に強度と延性を与えるかを理解するためである。
「われわれのシミュレーション結果は、BCCナノラメラで驚くほど高強度であるが、高い硬化反応を示している。これは、われわれの合金の傑出した強度-延性相乗効果達成に極めて重要である。この機械的理解は、優れた機械的特性を備えた、3DプリントされたHEAsの今後の開発をガイドする重要な基盤を提供する」とZhuはコメントしている。
加えて、3Dプリンティングは、複雑な形状やカスタマイズ部品作製の強力なツールとなる。将来、3Dプリンティング技術やHEAsの広範な合金設計を利用することで、バイオメディカルや航空宇宙アプリケーション向け最終利用コンポーネントの直接製造に十分な機会が開ける。
(詳細は、https://news.gatech.edu)