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国際チーム、植物細胞壁をナノスケールで可視化

September, 22, 2022, Oak Ridge--米国エネルギー省オークリッジ国立研究所(ORNL)の研究者は、高信頼で、コスト効果が優れた紙製造、ビル建設、バイオ燃料開発のためにバイオマテリアルを最適化する目的で、植物サンプルの凍結、あるいは植物を真空状態にするなどの技術を使って植物細胞の構造を研究することがよくある。これらの方法からは、貴重なデータが得られるが、サンプルに永久的な損傷の原因となることが多い。

エネルギー省、ORNL研究所の研究者、Ali Passianを含む物理学者チームと、フランス国立科学研究センタ(CNRS)の研究者は、最先端の顕微鏡と分光法を使って、非破壊代替法とする。散乱タイプスキャニング近接場光学顕微鏡という技術を使いチームは、サンプルに損傷を与えることなく、若いポプラの木の細胞壁の組成を調べた。

しかしチームには、まだ克服すべき他の障害があった。植物の細胞壁は、微小繊維(絡み合ったスパゲッティの迷路の細いバイオマス繊維)などの複雑なポリマが存在するためにナビゲートが恐ろしく困難であるが、チームは20nmよりも優れた分解能を達成した。この詳細画像により研究者は植物細胞物質の光学的特性を大小の領域に渡り、微小線維まで初めて検出することができた。研究成果は、Communications Materialsに発表された。

「われわれの技術により、サンプルの形態と光学的、化学的特性をナノメートルスケールで見ることができた。全て、同じ計測内である」(Passian)。

「これまで、これらの光学特性は、インシチュで計測されたのではなく、抽出されたコンポーネントからのみ計測されている。これは、構造的、化学的特性のコンテクストで情報を提供しない」(Fresnel Institute研究者Aude Lereu)。

ポプラの木材細胞壁の一領域で一連の詳細な画像を取得する計測技術を用いることでチームは、リグニンやセルロースなど構造的ポリマの分布を観察した。これらは硬い物質は、生物システムの「骨」として機能し、抽出してバイオ燃料やバイオ製品に変えることができる。

このデータは、酸や酵素を使ってポリマの収量を増やし、菌類や湿度など、外部要因にさらされたとき、バイオマテリアルの劣化を防ぐ化学的処置の改善に使える。ポプラサンプルは、すでに脱リグニンプロセスを経ているので、研究者は、無害、および潜在的に有害な組成変化の両方をピンポイントできた。

「材料を改変する時、分子レベルでそれがどのうよに変化するかを正確にモニタすることが重要である。われわれの技術を前処理されたポプラの木の標本に適用することで、われわれは、その生存可能性に影響を与えるあらゆる変化を記録しながら、サンプルを研究することができた」(Passian)。

研究チームは、代表システムとしてポプラを選んだ。これらの木が、成長が速く、ほとんどメンテナンスを必要としないからである。しかしポプラに使用される技術は、他の植物について類似の詳細データを提供する。これらは、取扱い効率改善、理想的なバイオマテリアル設計に使うことができる。

「われわれの技術は、あるタイプのリグニンが脱リグニン中に完全に除去されていないことを明らかにした。これはリグニン不応性の理解向上に貢献する」(Lereu)。

その技術は、AM(3Dプリンティング)分野に有益であることも分かっている。3Dプリンティングは、フェイクフィッシュ(fake fish)から宇宙船コンポーネントまで、広範な物体作製に、材料層をスタックしていく必要がある。プリンティングプロセス中、計測技術は、Passianによると、絞り袋でケーキに砂糖衣をつけるよりももっと複雑なバージョンであるが、、ヒューマンエラーを最小化し、材料の分散を補正し、あらゆる汚染をリアルタイムで除去する品質制御層を付加することができる。

植物細胞の微妙な変化への最前列シート確保は、簡単ではないが、Passianは、顕微鏡実験に量子力学的原理を組み込むことにより研究者は、繊細な生物学的サンプルに損傷を与えることなく、もっと接近して見ることができるかも知れない。

「将来、量子科学は、これらの計測のさらなる分解能改善のために古典的技術の障害回避に役立つ可能性がある」と同氏は話している。

(詳細は、https://www.ornl.gov)