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UC Davis研究者、鳥の飛行を研究

September, 21, 2022, Davis--国立科学アカデミーの論文集に掲載されている新しい研究は、カモメが突風や他の擾乱を制御するためにどのように翼の形状を変えることができるかを説明するモデリングと航空力学を利用している。研究成果は、いずれ、無人航空機、他の飛行物体に適用できる。

「鳥は、簡単に挑戦的な操縦を行い、適応性がある。だから、未来の航空機に実装するには、正確にその飛行について何が最も有用であるのか」とUC Davis機械工学、航空工学部、准教授、論文の主筆、Christina Harveyはコメントしている。

「カモメは、ごく一般的で簡単に見つかる。実に印象的なグライダーである」(Harvey)。

同氏は、ミシガン大学、博士課程学生としてカモメの研究を続け、航空工学Ph.D終了後、UC Davisに移ってきた。

この3月、Harveyとミシガン大学のチームはNatureに、22の鳥の種類の飛行ダイナミクスを分析する論文を発表した。以前の研究は、鳥の周囲の空気がどう動くか、航空力学に集中しがちであった。Harveyは、重心や中心点など、鳥の慣性特性を記述する方程式を開発した。方程式では、空力が集中点として絶えずモデル化できる。

航空機は、安定、あるいは不安定となるように一般に設計されている。安定した航空機は、混乱させられたとき(例えば、突風に押し上げられる)、定常飛行に戻ろうとする傾向がある。これは、例えば、航空旅客機では望ましいが、戦闘機では、そうではない。機動性が高い航空機は、不安定になるように設計されている。

Natureに発表した論文では、研究チームは、調べたほぼ全ての鳥の種類が、安定飛行と不安定飛行の両方の能力があり、これらのモードの切替えに翼の動きを利用することを示した。

制御性のある飛行
新しい研究は、この成果の上に立脚している。3Dプリントされたカモメモデルとカモメの翼を使い風洞で航空力学研究と慣性力のコンピュータモデリングとをまとめている。カモメが、その長い軸(下降、上昇)にそって安定性をどのように達成するかを理解するためである。

カモメは、手首(リスト)と肘の関節を調整し、翼の形状を変形することで、その軸における擾乱にどう反応するかを調整できることが分かった。チームは、カモメの飛行品質を予測し、カモメが突風のような擾乱からいかに迅速に回復できるかを予測することができた。その反応時間は、鳥にとっての「制御可能な範囲」、鳥の飛行ダイナミクスを航空機への適用に向けた洞察を与えてくれる。

「飛行品質分析は、正にカモメのような航空機を構築するなら、人はそれを飛ばすことができるか、という問いである」(Harvey)。

無人航空機、ドローンが、ますます広範に利用されるようになるにつれて、それらは都市環境を、ナビゲートできる必要がある、鳥が巧みにできるようにである。鳥の飛行をより深く理解することは、多用途ドローン設計改善に役立つ。

Harveyは、この秋、UC Davisに研究室を回折する予定である。

(詳細は、https://www.ucdavis.edu)