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Y-00光通信量子暗号×耐量子暗号で安全な暗号通信システム実用化に近づく

September, 8, 2022, 東京--玉川大学量子情報科学研究所は、同所が研究を推進してきたデータを暗号通信するY-00光通信量子暗号(Y-00暗号)に、耐量子暗号(PQC)を用いたユーザ認証および鍵共有機能を加えた暗号通信システムを、相模鉄道株式会社の保有する海老名駅と大和駅間の敷設ファイバ回線で実証した。
 耐量子暗号とY-00暗号を組み合わせて用いることで、認証と鍵共有も含めて安全な光ファイバ通信システムを実現できることが示された。今回の成果により、Y-00暗号の実用可能性が高まる。
 この成果の詳細は、電子情報通信学会ソサイエティ大会で発表された。

このシステムは、耐量子暗号により安全に共有された暗号鍵を用いてY-00暗号トランシーバにて暗号通信を行う。量子雑音のもつ真にランダムな性質を用いて光ファイバからの盗聴を防ぐことができる。

今回の成果
 これまでY-00暗号トランシーバを試作し、最長1,000kmの光ファイバ伝送やネットワーク応用を実証するなど、Y-00暗号を用いた暗号通信実験を行ってきた。これらの実験では、認証されたユーザが暗号鍵を共有していることを前提としていた。実用的な暗号通信では、事前にユーザ認証や鍵の共有が必要になる。
 今回、相模鉄道株式会社の海老名駅と大和駅に耐量子暗号の端末を設置し、玉川大学に設置してあるPQCサーバと公衆回線経由で接続し、耐量子暗号を用いてユーザ認証および鍵共有を実施した。次に、共有した暗号鍵を2駅に設置したY-00暗号トランシーバの暗号鍵として使用し、海老名駅と大和駅間の線路沿いに敷設してある長さ約7kmの光ファイバ回線で暗号データ通信を行い、ユーザ認証および鍵共有機能付きのY-00暗号通信システムの実証に成功した。
 なお、耐量子暗号は大規模な量子コンピュータでも解読されないとされる暗号なのでユーザ認証および鍵共有に採用した。
(詳細は、https://www.tamagawa.jp)