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京都大学、周期構造の対称性制御で近赤外光の閉込めに成功

August, 31, 2022, 京都--京都大学材料化学専攻の村井俊介 助教、Libei Liu 同博士課程学生、田中勝久 同教授らはオランダ、スペインのグループらとの国際共同研究において、ガラス基板上に周期的に並べたナノ粒子内に近赤外光を閉込める技術を開発した。
 ナノ粒子の位置やサイズをずらすことで構造の対称性を崩し、閉込め効率が非常に高い「連続スペクトル中の束縛状態(Bound States in the Continuum, BIC)」を制御できることを実験と計算の両面から示すことに成功した。

ガラスなどの平面上に周期的にナノ粒子を並べると、その周期に応じた波長の光を平面内に閉込めることが可能。この研究では、周期に加え構造の“対称性”を制御することでBICと呼ばれる、さらに強い光閉込めを実現することを目的とした。そのために、サイズの異なる二種のシリコンナノ粒子を交互に並べた周期構造と、同じサイズのシリコンナノ粒子を、位置をずらして並べた周期構造を準備した。両構造の周期は同じですが対称性が異なる。光の閉込めを調べたところ、両構造に起源の異なるBICが生じることがわかった。これらの実験結果はナノ粒子に生じる磁気および電気双極子を考慮したモデルにより説明され、面内と面外、異なる振動方向の2種の双極子がBIC発現に関わっていることが明らかになった。
 研究成果は、直感的かつ広範囲の周波数に拡張可能なBIC調整手法を提供するものであり、光閉込めによるレーザやセンサ、非線形光学への応用が期待される。

研究成果は、2022年8月26日(現地時刻)に国際学術誌「Laser & Photonics Reviews」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)