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東京大学、垂直入射型コヒーレント光受信器を開発

August, 31, 2022, 東京--東京大学大学院工学系研究科の種村拓夫准教授、相馬豪 大学院生(研究当時)、中野義昭 教授らを中心とする研究グループと株式会社KDDI総合研究所は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)委託研究「Beyond 5G 研究開発促進事業」のもと、コヒーレント光受信器の新規構造を実証することに成功した。
 光検出部の直上に金属ナノ格子型偏光子を集積することで、上面から垂直に入力した高速な光信号の複素振幅を、実部と虚部の成分に分離して受信出来ることを初めて示した。

従来のコヒーレント光受信器は、半導体基板の側面から光を入力し、複雑な導波路からなる光回路内を伝搬することで複素振幅の各成分を検出する構成。大容量化に向けて、多数のチャンネルを集積することが求められるが、従来構造では1次元方向に導波路を並べるしかなく、10チャンネル以上の並列化は困難だった。これに対して今回の成果で実証した構造は、垂直入射型かつ超小型のため、100チャンネル以上の2次元並列化も可能になる。テラビット級光受信器を安価に実現でき、Beyond 5Gネットワークの構築に直結する技術だと期待される。

研究成果は、2022年7月21日(米国東部夏時間)に米国科学誌「ACS Photonics」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.t.u-tokyo.ac.jp)