August, 30, 2022, Washington--韓国亜州大学(Ajou University)の研究チームは、新しいグリーンライト吸収透明有機フォトディテクタを開発、実証した。これは、高感度で、CMOS製法に適合している。これら新しいフォトディテクタを有機シリコンハイブリッドイメージセンサに組み込むと、光ベースの心拍モニタリング、フィンガープリントや近傍の物体の存在を検出するデバイスなどのアプリケーションに使える。
スマートフォンあるいは科学的カメラに使われようと、今日のイメージングセンサのほとんどがCMOS技術ベースであり、光信号を電気信号に変換する無機フォトディテクタである。有機材料製のフォトディテクタは、例えば、感度向上に役立つことから注目を集めているが、高性能有機フォトディテクタの製造が難しいことが分かっていた。
「有機フォトディテクタを量産CMOSイメージセンサに組み込むには、有機光アブソーバが必要である。これは、大規模製造が容易であり、高フレームレート、暗闇で鮮明な画像を生成できる」と研究チームリーダー、Sungjun Parkは説明している。「われわれは、これらの要件を満たす透明グリーン感度有機フォトディテクタを開発した」。
研究チームは、Opticaで新しい有機フォトディテクタを説明している。研究チームは、透明グリーン九周有機フォトディテクタをシリコンフォトダイオードに重ねることでハイブリッドRGBイメージングセンサも作製した。
「これら画像センサで用いられるグリーン選択光吸収有機層は、混合有機バッファ層の導入により、様々な池のピクセル間のクロストークを大幅に減らした。この新しい設計により、ハイパフォーマンス有機フォトダイオードは、様々なアプリケーションで使用されるイメージングモジュールやオプトエレクトロニックセンサの主要コンポーネントになる」と、Samsung Advanced Institute of Technology (SAIT)、研究チーム共同リーダー、Kyung-Bae Parkは説明している。
より実用的な有機フォトディテクタ
ほとんどの有機材料は、量産に適していない。後加工で使用される高温に耐えられないからである。あるいは、適度な温度での長期利用に適さないからである。この課題を克服するためにチームは、フォトダイオードのバッファ層の改良に重点を置いた。安定性、効率、検出感度の改善のためてある。検出感度は、センサが弱い信号をどの程度よく検出できるかの指標。
「われわれは、バソクロイン(BCP):C60混合バッファ層を電子トランスポート層として導入した。これにより有機フォトディテクタは。効率向上、著しい低暗電流など優れた特性となり、ノイズ低減となる」(Sungjun Park)。このフォトディテクタは、ハイブリッドイメージセンサ実現のために赤と青のフィルタを持つシリコンフォトダイオード上に設置可能である。
亜州大学の研究チームは、その新しいフォトディテクタが従来のシリコンフォトディテクタに匹敵する検出感度を示すことを紹介した。ディテクタは150℃以上の温度で2時間安定動作し、85℃30日間長期安定動作を示した。また、色表現も優れていた。
次にチームは、新しいフォトディテクタとハイブリッド画像センサを調整する計画である。モバイルやウエアラブルセンサ(CMOSイメージセンサを含む)、近接センサ、フィンガープリント・オン・ディスプレイデバイスなど、様々なアプリケーションで利用するためである。