August, 26, 2022, Pasadena--ナビゲーションでセンサに依存する自動運転車、先進的宇宙船、他の技術では、障害、歩行者あるいは他の障害物をスキャンできる先端技術の必要性がますます高まっている。しかし、ものが他のものの陰に隠されていたらどうだろう。
Nature Photonicsの論文でCaltechの研究チームは、近傍の表面を根本的にレンズに変える新しい方法を説明している。これは、以前なら目立たなかった障害物を間接的にイメージングするために使える。
その技術は、Changhuei Yang研究室、電気工学、バイオエンジニアリング、医療エンジニアリング教授、Thomas G. Myers研究室で開発された。これは、非見通し線(NLOS)センシング、つまり見る人の見通し線外の関心のある物体を検出するセンシング。新しい方法は、UNCOVERと言われ、近傍表面、壁などを、隠されたものをはっきり見るためのレンズのように利用する。
ほとんどの現在のNLOSイメージング技術は、壁などの表面に受動的に反射された隠れたモノの光を検出する。しかし、壁などの表面は主に光を散乱させるので、その技術は鮮明な画像を生成しない。コンピュータイメージング法を使って、散乱光から情報を抽出し、画像を鮮明にできるが、それらは高解像度の画像を生成できない。
しかし、UNCOVERは、波面整形技術を利用して散乱に直接対抗する。波面整形は、以前には実行不可能だった。隠されたものの細部を推論できるガイドスター、点光源の利用を必要としているからである。
「レンズが、一つの点を別の点に映し出すことは分かっている。もし、マット面の質の悪い’レンズ’を通して見ていると、点の画像は、ボヤケて、光は、その場全体に広がる。しかし、マット面を削って研磨し、光を正しい位置にナビゲートできる。それが、ガイドスターが役に立つ原理である。それによりバンプがどこにあるかが分かるので、その表面を正しく研磨する方法が分かるのである」とRuizhi Caoは、説明している。同氏は、Nature Photonics論文の筆頭著者。
Yangのチームは、隠されたもの自体をガイドスターに利用できることを発見した。結果は、NLOSイメージングである。これは散乱光を一つにまとめて隠された物体の明確な画像にする。
Caoによると、そのイメージング法は、自動運転車、レスキューミッション、他のリモートセンシング関連ミッションで役立つ。自動運転の場合、「この方法で、交差点のあらゆるトラフィックを見ることができる。これは、ヒトが直接見ることができない潜在的な危険を自動車が予測する際に役立つ」とCaoはコメントしている。
UNCOVERの利用により自動車は、ヒトと同じように見ることができるが、ヒトの方が優れたドライバーになる。人間のドライバーは、数フィート離れたジェイウォーカーが来るのを見つけることができるかも知れないが、UNCOVER技術搭載の自動運転車は、イメージング条件が適切であれば、潜在的に、次のブロックで、そのような瞬間を見ることができる。
UNCOVERイメージングは、地球以外、例えば火星を探査する将来のロボットミッションでも有用であることが分かっている。「われわれは、ローバーを利用して別の惑星の画像を撮り、その惑星についての理解向上に役立てる。しかし、そのローバーには、リソースやパワーが限られているので、届きにくいところがあるかもしれない。非見通し線イメージング技術によりわれわれは、ローバー自体にそれをさせる必要はない。必要なことは、光が届く場所を見つけることだ」(Cao)。
(詳細は、https://www.caltech.edu/)