August, 25, 2022, 東京--東京大学大学院総合文化研究科の寺尾潤教授、正井宏助教、ラッセル豪マーティン大学院生らは今回、光が単独で作用し分解を引き起こすのではなく、光と酸を同時に作用させた時のみ材料を分解させる技術を開発した。すなわち、酸を用いることで光分解や光微細加工が可能でありながらも、酸が存在しない状況では光に対する長期安定性を材料が有するという、従来の問題点を打開した新しい光分解性材料が実現した。
光分解性材料は、人工的な光や自然光によって材料を分解可能であることから、環境調和型の材料として有望視されている。同時に光分解性材料は、局所的な分解を利用した材料微細加工など、産業的にも広く応用されてきた。その一方で、光分解性材料は光が当たると分解されてしまうため、材料を光の下で長時間利用することができない。この本質的な問題は、光分解性材料を身の回りで利用し続ける上での大きな制約になっていた。
この研究によって、光の下でも長期的に使用可能で、かつ使用者が意図したタイミングで光分解できるプラスチック材料など、環境的・産業的に有益な材料の創成に貢献すると考えられる。
(詳細は、https://www.c.u-tokyo.ac.jp)