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ロボットガン手術を改善するブレイクスルー技術

August, 23, 2022, Edinburgh--National Robotariumの研究者は, Heriot-Watt UniversityおよびUniversity of Edinburgh、産業パートナー、エディンブルクの臨床医と共に、世界的に患者ケアを改善するために、新しいロボット支援手術技術を実現しようとしている。

その画期的な方法は、UK研究&革新の一部、工学&物理学研究委員会から125万ポンドの助成金を受けている。

その方法は、ロボット手術中に、患者の組織がガンからどの程度影響を受けており、除去すべきかの判断を助ける。

外科医が除去するために選ぶ組織の外縁は、「切除縁」として知られている。現在、切除縁は、外科医の経験、CTスキャンなど術前イメージング、視覚観察、開腹術では触「感」を利用して特定される。しかし、腹腔鏡や内視鏡(フレキシブルテレスコープ)あるいはロボット手術を使う「キーホール手術」では、外科医は、組織の特徴を決める「感」を利用できない。

工学、臨床、産業スキルセットを統合することで、新しいコラボレーションにより手術対象の内部および周囲の機械的計測が可能になる。これは「機械的インテリジェンス」アルゴリズムを利用して解釈される。

プロジェクトチームに含まれるのは、IntelliPalp Dx, CMR SurgicalおよびWestern General Hospitalの臨床医。

National RobotariumのDrYuhang Chenが研究リーダーは、「この新しい技術は、腫瘍を除去する際に適切な切除縁を決めるために、外科医に定量的、リアルタイム、信頼度が高い、証拠に基づいた方法を提供する」と説明している。

「キーホールに沿って手術する外科医、あるいは侵襲性の少ない手術のための技術を利用する医者は、極めて同じように見えても異なる構造、罹患部を特定する必要がある。われわれの研究は、ガン手術で適切な最適マージンの特定を狙っている。ガンが完全に除去され、過剰な損失がないことを保証する十分な組織とともに腫瘍を除去できるようにするためである。

 レーザ製造、ファイバオプティクセンサ、マイクロメカニカルプロービングおよびコンピュータモデリングを統合してガン性組織を検出できる機械的イメージングプローブを実現する。これは、標準的な侵襲性の少ない手術機器で使えるものである。これとともに、われわれは機械的インテリジェントデータモデリングフレームワークを構築し、腫瘍特定と手術マージン判断のために、それをプローブ操作に組み込む。これは外科医に、誤差限界を効果的に除去し、手術中に正確な組織量を除去し、患者にとってさらなる侵襲的手術の必要性を減らしたという自信を与える」。

Western General Hospitalの結腸直腸外科医コンサルタント、Mr Hugh Paterson,は、以下のように述べている。
「ロボット支援手術は、侵襲性の少ない手術における次の大きな発展である。また、幅広い条件で、その応用は急速に発展している。しかし、このプロジェクトは、ガン手術で正確さをサポート、改善するための初のアプリケーションの1つとなる、実に素晴らしいことだ」。

「現在、外科医は、詳細な術前スキャンで手術中の手術マージンを決めるが、正常および異常組織を区別するために視覚や触覚も利用する。‘触覚’は、キーホール手術では著しく少なくなる。またロボット支援手術では、ほぼ完全になくなる。マージンは特に難しい。直腸、骨盤内臓器の手術など限定空間ではマージンの決定は特に難しい。このような箇所では、より広いマージンは難しい。臓器が生命に関わる神経、血管に近いからである。これは、膀胱、腸、生殖器、下肢でリスクを犯す可能性がある。この新しい技術は、ロボット手術を行う医者に‘触覚’を取り戻し、正確な評価で精度を高めることができるようにする。患者には大きな利益となり、反復手術や追加の処置の必要性を大幅に制限する」。

UK政府大臣Scotland、 Iain Stewartは、以下のようにコメントしている。
「この素晴らしい研究は、世界中のガン患者にとってのケアと処置の質を著しく改善できる。UK政府の17億ポンドのスコットランドレベルアッププログラムの一環としてNational Robotariumに2100万ポンド投資により、世界トップの手術ロボットの開発を支援していることを誇りに思っている。
 UK政府は、National Robotariumのような研究機関で最新のアイデアと技術を開発する研究とイノベーションに50億ポンド支出している」。
(詳細は、https://www.hw.ac.uk/)