August, 5, 2022, Glasgow--フレキシブルフォトディテクタの新しい形態により、未来のロボットは、ヒトの視覚範囲を超えて光を「見る」ことができる電子スキンを獲得する。
グラスゴー大学(University of Glasgow)のエンジニアリングチームが、ブレイクスルー開発の陰に存在する。開発は、GaAs製のマイクロスケール半導体をフレキシブルなプラスチック表面にプリントする新開発の方法に関係している。
その材料は、市場で最高の従来型フォトディテクタに匹敵する性能であり、数100サイクルの曲げ、屈曲に耐えることができる。
Advanced Materials Technologyに発表された論文で研究チームは、その技術の開発法について概要を説明している。同技術によりスキンは、広い電磁スペクトルから光を検出することができる。
それは、以前の研究に立脚している。チームは、Si回路をフレキシブルプラスチックに直接プリントする方法を開発した。これは、ハイパフォーマンス折り曲げ可能エレクトロニクスの作製を可能にするものであった。
GaAsは、ハイパフォーマンスエレクトロニクスを作るために多くの電子アプリケーションで使用されている。しかし、それらは主に剛体面に作製されていた。グラスゴーチームは、フレキシブル基板にGaAsを使う方法を見いだした初の研究者に属する。
チームは、GaAsエレトクロニクスをフレキシブル面にプリントするために既存のロールプリンティングシステムを適用した。15µm幅のワイヤアレイを利用している。
それによりチームは、UV域から、可視光、赤外までの光をセンシングすることができる新しいタイプのフレキシブルフォトディテクタを作製することができた。その全てに必要なパワーは極めて低い。
そのシステムは、光に対する超高速応答が可能であり、わずか2.5ミリ秒で光を計測し、8ミリ秒で回復することができる。現在入手可能なベストのノンフレキシブルフォトディテクタと同等のパフォーマンスである。
そのシステムの耐久性をテストするために研究チームは、数100回の曲げ、捻りを行うように設計された機械でその材料を一連の厳しいテストにかけた。
そのスキンを開発したのはBendable Electronics and Sensing Technologies (BEST)研究グループ。グラスゴー大学James Watt工学部のRavinder Dahiya教授がチームリーダー。
「この最新の開発は、フレキシブル面にGaAsをプリントできた最初であり、われわれの研究に新たな道を開く」
「将来、この種の感光性フレキシブル材料は、ロボットに新機能を附与することができる。例えば感光性環境で製造のために使われる機械アームは、条件が変わり、作業の安全性、あるいは効果が危機に瀕している時に検知することができる。フレキシブルなブロードスペクトルフォトディテクタは、幅広いワイヤレス通信でも利用される、われわれがテストした高速伝送や応答速度が常に求められているからである」
BESTグループのAyoub Zumeit とAbhishek Dahiya、論文の共著者は、「晴れた日にUV光の露光モニタに使用するヒト用のウエアラブルパッチの開発にさえ使える。これは、ユーザの日焼けリスクを警告することができる」と付け加えている。
チームの論文は、Advanced Materials Technologiesに発表された。
(詳細は、https://www.gla.ac.uk/)