August, 3, 2022, Sydney--UNSWチームの革新的研究は、地球の放射赤外熱を使って、日没後でも発電できることかを示している。
UNSWチームは、いわゆる「夜間」ソーラパワーから発電することにより再生可能エネルギー技術で大きなブレイクスルーを達成した。
フォトボルティック&再生可能エネルギー工学部のチームは、赤外光として放射される熱から電気を生成した。地球が夜間に宇宙空間に放射することによって冷えるのと同じ方法である。
熱放射ダイオードという半導体デバイスは、暗視ゴーグルにある材料で構成されており、赤外光の放出からの電力生成に使われた。
研究成果は、ACS Photonicsに発表された。
この段階で生成される電力量は非常に小さく、ソーラパネルによる供給の10万倍小さいが、研究チームは、その成果は、将来的に改善されると考えている。
「われわれは、熱放射ダイオードからの電力の明白な実証である」と研究チームリーダー、准教授、Ned Ekins-Daukesははなしている。
「サーマルイメージングカメラを使うことで、夜間にどの程度の放射がそこにあるかを見ることができるが、可視光波長ではなく赤外波長だけである。われわれが実行したことは、赤外熱放射から電力を生成できるデバイスの作製である。
エネルギーの流れ
Ekins-Daukes教授による、そのプロセスは、究極的には、まだソーラパワーを利用している。昼間に陽光として地球を照射し、地球を温めるソーラパワーである。
夜間には、この同じエネルギーが、熱放射ダイオードの赤外光として、広く、冷たい宇宙空間に放射される。今回、このプロセスを利用することで電気を生成できることが証明された。
サーマルイメージングカメラは、Sydney Harbourとその周辺からの熱放射量を夜間の空気で目立たせる。「エネルギーの流れがあるところでは、われわれは異なる形態間で、それを変換できる。フォトボルテイック、太陽光の電力への直接的変換であり、太陽エネルギーを電力に変換するために人間が開発した人工プロセスである。その意味で、熱放射プロセスは同じである。われわれは、温かい地球からの赤外のエネルギーの流れを冷たい宇宙に逸らしている」と論文の共著者の一人、Dr Phoebe Pearceは説明している。
「ソーラセルが、熱い太陽から放出され陽光を吸収することで電気を生成できるのと同様の方法で、熱放射ダイオードは、赤外光をより冷たい環境に放出することで電気を生成する。いずれの例でも、温度差によりわれわれは電気を生成するのである」。
UNSWチームのブレイクスルーは、以前の理論的プロセスの素晴らしい立証であり、特殊な、遙かに効率的なデバイス実現への第一歩である。これが、いずれ、きわめて大規模にエネルギーを獲得できるようになるのである。
最初のSiソーラセルは、わずか2%程度だったが、現在、最先端のセルは、太陽光の約23%を電気に変換できる。
Dr Michael Nielsen、論文の共著者は、「例え、これらの技術の商用化がまだ先だとしても、進化するアイデアの始まりにいることは、研究者としては素晴らしいことだ」と話している。
「ソーラセルを設計、最適化する方法に関するわれわれの知見を利用することで、また既存の中赤外フォトディテクタ界からの材料を借りることで、夜間のソーラパワーの夢の提供に向けて急速な進歩が期待できる」。
研究チームは、その新技術が、現在は可能ではない方法で電力生成を支援することで将来的に幅広く利用されると考えている。
体温から電力
これらの一例は、人工心臓などの生体デバイスへの電力供給である。これは現在、定期的に置き換える必要があるバッテリ駆動である。
Ekins-Daukes教授は、「原理的に、われわれが実証した方法で、まさに体温から電力を生成することは可能である。サーマルカメラで見ると、体温が白熱しているのがわかる。
そのうち、この技術は、そのエネルギーを収集し、あるデバイスではバッテリの必要性を取り除く、あるいは再充電に役立てる。それは、従来のソーラパワーは、必ずしも実行可能なオプションとはならないものである」と説明している。
UNSWの成果は、グループの以前研究に立脚している。そこでは、Andreas Puschが、研究所の実験ガイドに役立つ数学モデルを開発した。
研究チームは現在、産業のリーダーが、その新技術の可能性を認識し、さらなる開発をサポートすることを希望している。
UNSWのチームは、熱放射ダイオードという半導体デバイスが赤外光放出からパワーを生成することを示した。
「当座、われわれが熱放射ダイオードによる実証は、相対的に極めてローパワーである。課題の一つは、実際にそれを検出することだった。しかし理論によると、この技術が最終的にソーラセルのパワーの1/10程度を生成することは可能である」とA/Prof. Ekins-Daukesは話している。
「これはブレイクスルー技術となる。産業が参入し、実際にそれを促進する必要性を過小評価すべきではない。ここで大学の研究は、まだ10年くらいは行われる。すると、次は産業がそれを取り上げる。
産業が、これを価値ある技術と見なすなら、進歩は極めて速くなる」と同氏は話している。
(詳細は、https://newsroom.unsw.edu.au)