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シリコン光ニューラルネットワークによる深層学習アクセラレータを開発

August, 1, 2022, 東京--東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の竹中充 教授、唐睿 特任助教、大野修平 大学院生(研究当時)、トープラサートポン・カシディット 講師、高木信一 教授らは、JST 戦略的創造研究推進事業の助成のもと、リング共振器をクロスバーアレ状に集積した新方式のシリコン光回路を用いた光ニューラルネットワークの実証に成功した。
 複数の波長を束ねた光信号を光回路に入力することで推論に必要な積和演算が可能であり、分類問題で高い正答率が得られることを示した。加えて、異なる方向から誤差に相当する光信号を入力することで、光回路上での誤差逆伝播を用いた学習計算の加速が可能であることも明らかにした。
 これまで報告されたシリコン光回路を用いた光ニューラルネットワークは推論用途が主であり、学習向けの光回路方式は確立していなかった。今回の成果では、同じ光回路上で、推論および学習を可能とするものであり、Society5.0社会を支える人工知能の性能を大幅に発展させることが期待される。
 研究成果は、2022年7月22日(米国東部夏時間)に米国科学誌「ACS Photonics」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.t.u-tokyo.ac.jp)