July, 29, 2022, Jena--フリードリッヒ・シラー大学イェーナの研究チームは、機械的ストレスに反応して発光する新しいガラス-セラミックを作製した。これは、応力発光として知られる特性。
さらなる開発により新しい材料を使って、機械的ストレスによって切り替えられる光源が可能になる。これは、身体の人工関節の応力モニタリング、あるいはビル、橋梁や他の構造物の危険な応力、亀裂の警告に使える。
「応力発光を示すほとんどの材料は粉末として造られているが、これは用途が広くない」とリードリッヒ・シラー大学イェーナの研究リーダー、Lothar Wondraczekは指摘している。「われわれは、応力発光を示すガラス-セラミック材料を設計した。これは、ガラスのような処理アプローチで、実質的にどんな形状への成形にも使える。ファイバ、ビーズあるいは微小球などであり、様々なコンポーネントやデバイスに組込可能である」。
研究成果は、Optical Materials Expressに発表された。
新しい透明度が高いガラス-セラミックは、ゲルマニン酸カリウムガラスマトリクスに埋め込んだクロム添加ガリウム酸亜鉛(ZGO結晶から作られる。これらの結晶により、その材料は応力発光特性となるが、非常に小さいので、カラスの視覚的透明性に、特に影響を与えることはない。
「われわれの研究は、応力発光材料が様々なアプリケーションで広く利用されるようになるために一役買うことができる」(Wondraczek)。「それは、ガラス質素材の広範な多様性と意外な特性を示すことで、国際ガラス年(International Year of Glass)とも結びついている」。
より実用的な材料
多様な形状に成形することの難しさだけでなく、応力発光粉末は、マトリクス材料へのエンカプセルなど、特別な処理段階を必要とする。より実用的な材料を作るためにチームは、ガラス-ラックスに眼を向けた。
ガラス-セラミックスは、比較的新しいタイプの材料であり、ガラスマトリクスに埋め込んだ結晶材料で構成されている。結晶は、これらの材料に極めて特殊な特性を附与するために使える。一方で、ガラスマトリクスにより、それらはガラスで使用される同じプロセスの多くに成形できる。
研究チームは、非常に高速で安定した結晶化プロセスを開発することで応力発光ガラス-セラミックを作製した。これにより微小なZGO結晶を、成形後にガラス内部に均質に沈殿させることができる。チームは、ボールドロップテストを使用して、その材料が機械的応力下で発光することを示した。これは、材料に既知の衝撃力を与える標準的な方法である。「われわれは、応力発光反応が再現可能、再充電可能であることを確認した。また、それが衝撃エネルギーと正の相関を示すことも確認した」(Wondraczek)。
研究チームが、その材料の発光特性を実証したので、ガラス組成の適用を計画している。それがシート状の物体、光ファイバや微小球ビーズなどに成形されるようにである。次にチームは、これらがコンポーネントやデバイスでどのように利用されるかを調べる計画である。また、一般にガラス-セラミクスの他の特性、熱、化学、機械的安定性などを活用して、ガラス質素材から新しい機能を引き出す計画である。