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ゼロからロボットを3Dプリントする方法

July, 28, 2022, Boulder--CU Boulder(コロラド大学)は、3Dプリンティング技術の最新の進歩を発表した。新しい研究では、チームは、現在利用可能なプリンタを利用して、固体および液体成分の混合材料を造る戦略をデザインしている。これは、ロボットを崩壊させたくないない、巧妙な技である。

Paul M. Rady機械工学部准教授、研究のシニアオーサ、Robert MacCurdyは、「将来的に、このプロセスを使うロボットのような完全なシステムを造ることができる」とコメントしている。
 博士課程学生、Brandon HayesとTravis HainsworthとともにMacCurdyは、Additive Manufacturingに研究成果を発表した。

研究チームによると、固体と液体を混合することで、3Dプリンタは、より柔軟で動的、潜在的にもっと有用なデバイスを量産できる。それに含まれるのは、固体基板内に含まれる液体でできたワイヤを持つウエアラブル電子デバイス、あるいは実際の人の臓器のグニャグニャ感を模擬するモデルでも可能。

エンジニアは、その進歩を、単なる黒と白ではない、従来のカラープリンタと比較する。

「カラープリンタは、少数の原色を組み合わせて幅広いリッチ画像を創る。材料でも同じことだ。多種の材料を使うことができるプリンタがあれば、新しい方法で、それらを組合せ、極めて広い範囲の機械的特性を造ることができる」(MaCurdy)。

何もない空間
その特性を理解するには、3Dプリンタとオフィスにある通常のプリンタとを比較することが役立つ。紙のプリンタは、液体小滴を数千のフラットピクセルで配置することで画像を作る。インクジェット3Dプリンタは、それに対して、プリントヘッドを使って微小な液体ビーズ、つまり“ボクセル” (“量”と “ピクセル”のマッシュアップ)を積み重ねる。

「そのような小滴が堆積すると直ぐに、高輝度、UV光を照射する。その硬化性液体は、1秒以下で固体に変換される」

しかし、その液体を液体のままにしておきたい場合は多い。例えば、エンジニアによっては、液体、あるいはワックスを使って固体材料内に小さなチャネルを造りたいと考える。すると後で空にすることになる。水が地下のクウドを造るような方法である。

エンジニアは、3Dプリントされたパーツにその種の何もない空間を作る方法を考案した。しかし、それらを空にするには、通常多くの時間と労力を要する。チャネルは、相対的に簡素でなければならない。

研究チームは、その制約を回避する方法を見つけることに決めた、エンジニアが固体と液体材料を同時にプリントできるようにする条件の理解向上である。

液体の活力
研究チームは、まず一連のコンピュータシミュレーションを設計した。様々な種類の材料を隣り合わせてプリントする物理学をプローブするためである。大きな問題の1つは、MacCurdyによると、「固体材料の小滴をいかにして液体材料と混合しないようにできるかである。例え、固体材料の小滴が液体小滴の上に直接プリントされたときでも、混合しないようすること」。

チームは、まさにそれができるようにする法則を確立した。

「われわれは、液体の表面張力を使って固体材料を支持できることを発見した。とは言え、固体材料よりも密度が高い液体材料を選ぶことが有用である、油が水面に浮くのと同じ物理学である」(Hayes)。

次に研究チームは、ラボの実際の3Dプリンタで実験した。チームは、プリンタに硬化性ポリマ、つまりプラスチック(固体)、それに標準の洗浄液(液体)を積み込んだ。製作されたモノは、印象的だった。グループは、液体の捻れループと、人の肺の分岐経路とがあまり違わない複雑なチャネルネットワークを3Dプリントすることができた。

「両方の構造とも、以前のアプローチではほぼ不可能だった」(Hainsworth)。

「われわれの成果は、液体と固体を使う多材料インクジェット3Dプリンティングを世界中の研究者やファンが、より利用しやすくなると考えている」と同氏は話している。

(詳細は、https://colorado.edu)