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大容量光トランスポートネットワークの故障予兆部位推定技術を実証

July, 25, 2022, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、フィールド環境において敷設済の光ファイバケーブルと光伝送装置を用い、新規機能を組み入れることにより、多種の故障の予兆を検知し予兆パッケージ部位を推定する技術を世界で初めて実証した。

 IOWN APN (Innovative Optical & Wireless Network All Photonics Network)の実現に向け、更なる大容量化を進める光伝送装置は、容量増により故障影響も増加することは避けられない。これに対応するため、光信号特性情報をきめ細かく収集・解析することにより故障予兆部位の推定粒度を向上させ、サービス影響前に予兆パッケージ部位を特定できる技術を確立し実証した。この技術を用いた予知保全により故障対応業務の効率・品質の向上、突発的なサービス断回避を実現する新たな保守運用が可能となる。また、同技術を用いた運用性の向上により、IOWN APNの導入推進に貢献する。

研究成果
今回NTTは、従来、保守運用には活用されていなかった光信号特性情報をきめ細かく収集、解析することによりサービス影響前・警報発出前の故障の予兆から、故障交換対象となる光伝送装置のパッケージ単位までの部位特定を高精度に行うことに成功した。
 実験では、敷設済の光ファイバケーブルと光伝送装置を用いた実験構成に、複数のパッケージ部位に対して複数の故障予兆を模擬する模擬系と光信号特性情報を収集・解析する新規機能部を組み入れて実験を行い、実運用環境と実装置挙動による光信号変動を加味しても故障予兆の部位特定が可能であることを実証した。

この技術は、光パスを終端し信号処理を行うDSP (Digital Signal Processor)から多くの光受信信号の解析情報と、新たに光パスの各中継区間からも光スペクトル情報や光信号品質(OSNR)などの情報を収集し、受信端点情報と光伝送網構成情報と組み合わせて解析を行うことで、高精度の予兆部位特定を実現する。これにより、従来のパフォーマンスモニタ情報だけでは検知が困難な光信号の特性変化も予兆として捉え、特定粒度をパッケージ部位までとした予兆部位特定が可能であることが確認できた。

さらに、実験では構成を、光伝送装置のトランスポンダと中継部位を別の光伝送システムにより構成するマルチベンダディスアグリゲーション構成としており、監視制御の連携に制約がある複数システム間の光直結接続を含めても、光信号特性そのものを解析することで、予兆パッケージ部位の特定が可能であることを合わせて確認した。

(詳細は、https://group.ntt/jp)