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大阪大学、レーザで創るミニチュア宇宙

July, 19, 2022, 大阪--大阪大学の研究グループは、大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー激光XII号を用いて、レーザー生成プラズマ中で電子が駆動する磁気リコネクションを実験的に再現し、局所計測よりイオン運動を伴わない電子のみのアウトフローを初めて計測した。

磁気リコネクションは、磁場のエネルギーをプラズマのフロー(流れ)のエネルギーに変換する過程で、宇宙において太陽フレアや磁気圏サブストーム、また、地上でも核融合プラズマのディスラプションといった爆発的な現象を引き起こすと考えられている。その引き金となるのが、ミクロな電子の運動だと考えられており、これまで同研究グループは、マクロなイメージングにより電子運動が駆動する磁気リコネクションを実験室で明らかにしてきた。しかし、マクロなイメージングからは、プラズマ中の電子・イオンの運動を切り分けることができず、実際の電子運動の直接的な計測は行われていなかった。

この研究では、局所的に電子・イオンの速度を計測し、イオンの運動を伴わない電子だけの磁気リコネクションアウトフローを実験的に明らかにした。これにより、ミクロな電子ダイナミクスが、マクロなプラズマの構造を決めるというプラズマに普遍的な性質の解明が進展し、将来的には磁場を使ったロケット推進や核融合研究などへの貢献が期待される。

研究成果は、Springer Nature社のオープンアクセス国際誌「Scientific Reports」に、6月30日(木)に公開されました。

研究グループ
大阪大学大学院工学研究科の境健太郎(博士後期課程/日本学術振興会特別研究員DC1)と蔵満康浩教授(レーザー科学研究所兼任)、自然科学研究機構核融合科学研究所の森高外征雄助教
(詳細は、https://www.nifs.ac.jp)