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実用的なファイバ集積量子メモリデバイスを開発

July, 15, 2022, Washingston--スペインの研究者が、レアアースドープ結晶に書き込んだ新しいファイバ結合導波路ベースの実用的な集積量子メモリデバイスを開発した。
 量子メモリは、後に呼び出すために量子状態を蓄積する。コンピュータメモリがバイナリ情報を蓄積するのと同様である。ファイバ集積固体プラットフェームは、以前に集積メモリで実証されたよりも3桁長く量子状態を保持できる。

スペインのICFO-Institut de Ciencies Fotoniques、Jelena V. Rakonjacは、研究成果をOpticaの Quantum 2.0 2022で発表した。

「量子メモリは量子状態を蓄積できるデバイスで、一般にフォトンを利用する。それは、近い将来の量子リピータスキームの重要コンポーネントである。リピータは、大規模量子ネットワーク実現のために必要とされている。われわれが今日、利用している現行の古典的ネットワークにおける古典的リピータと類似的である」(Rakonjac)。「実用的には、量子メモリは、既存のオンチップフォトニック技術と統合されるように現行のオンチップに直接組み込まれる必要がある、また量子ネットワーク実現には光ファイバと直接統合される必要がある。デバイスは高度に多重化されていなければならない。つまり、時間的、スペクトル的、空間的自由度を利用して量子状態を蓄積できなければならない」。

これらの要件を満たす量子メモリデバイスを造るために研究チームは、Pr3+:Y2SiO5結晶を使った。レアアースドープの結晶は、以前にマルチモードメモリストレージに利用されていた。チームは、結晶に導波路を書くためにフェムト秒マイクロマシニングを利用し、次に結晶の両面に光ファイバを接着した。これにより、ファイバは、導波路と直接相互作用するようになった。メモリに光を結合するための大きなオプティクスは不要である。結果としてのデバイスは、真空冷却3Kで、典型的操作の伝達効率17%を示した。

研究チームは、606nmでシングルフェトンと通信波長のアイドラフォトン間の光と物質のエンタングルの形で量子光の蓄積にそれを利用することでその新しいデバイスを実証した。これはメモリ内のストレージに適合している。アイドラフォトンは、量子リピータでエンタングルメントを告げるのに必要である。

チームは、新しいメモリデバイスが、2~28μs、光励起されたフォトンを蓄積できることを示した。また、フォトンペアエンタングルメントは、蓄積後保持された。新しい成果は、ファイバ集積固体プラットフォームが実用的な集積量子メモリ候補に適していることを示している。

「このシステムを量子ネットワーク向けにさらに開発するために、現在テストしている様々なタイプの導波路を使うことでデバイスの効率は改善できる。また、ストレージ時間は、qubitを長寿命スピン状態に移転することで延ばすことができる。これは、オンデマンドでメモリの読み出しに扉を開く」とRakonjcは付け加えている。