July, 12, 2022, 京都--太陽電池の高性能化には、太陽光の幅広い波長域の有効活用が重要。そのために、各々が固有の吸収波長帯を持つ半導体材料を複数積層した多接合太陽電池は、高効率化手法の代表例。
京都大学化学工学専攻の 田辺克明 准教授、佐野直希 同修士課程学生(研究当時)、西ヶ谷紘佑 同修士課程学生(研究当時)の研究グループは、波長変換材料を介した半導体接合法を提案、開発するとともに、当技術を用いた太陽電池を作製し、発電性能の向上を実証した。その結果、今回開発した手法で作成した太陽電池は、一般的な従来型の太陽電池に比べて2割程度の電流の増大、3割程度の発電効率の上昇を観測した。この手法は、これまでの技術では難しかった、接合の形成と光機能の導入を同時にもたらし得る半導体界面工学の新しい概念と言え.。汎用性の高い技術であり、多接合太陽電池の高効率化や、光コンピューターなどのデバイスの高性能化につながることが期待される。
研究成果は、2022年7月6日(現地時刻)に米国の国際学術誌「Applied Physics Letters」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)