KAUST､ナノテクノロジーで骨を形成

July, 11, 2022, Thuwal--KAUST研究者が開発したナノテクノロジープラットフォームは､変性骨疾患の新たな治療につながる｡

同システムは､磁界に反応して曲がる微小な鉄線を利用している｡これらのナノワイヤで､成長する骨形成幹細胞は､動く基板上で一種の物理的なトレーニングを行う｡すると､一般的な他の培養条件よりも遙かに早く成熟した骨に変化する｡数週間ではなく数日続く分化プロトコルによるものである｡

バイオサイエンティスト､Jasmeen Merzabanは､｢これは､優れた発見である｡われわれは､より短い時間で､効率的な骨細胞形成を達成できる｣とコメントしている｡より効率的な骨再生に道を開く可能性がある｡同氏は､センサ研究者､Jürgen Koselとともに研究を主導している｡

研究チームは､そのナノワイヤスカフォールドの骨形成力を磁気信号あり､なしの両方で評価した｡チームは､微小ワイヤを均等間隔グリッドにパタン化した｡ワイヤは､あるバクテリアに見られる尾のような付属物程度のサイズ｡次に､ヒトの間葉系幹細胞(MSCs)から取った骨髄に層化した｡

低周波磁場を加え､研究チームは､骨発達プロセスが飛躍的に加速したことを確認した｡骨発達の遺伝子マーカーは､機械的刺激下で2日以内のインキュベーションで検出できた｡一方､幹細胞性と自己再生に結びついた遺伝子は､すぐに不活性になった｡研究者は､細胞が自己改造して､加速度的なペースで､より骨らしくなっているのを顕微鏡で見ることができた｡

KAUSTチームは､変性骨疾患のマウスモデルでそのシステムをテストする計画である｡ナノワイヤスカフォールドに播種された幹細胞がケガの箇所に安全にインプラントされ､組織修復を促進することを期待している｡治癒プロセスを促進するために､外的に印可される磁界を使える｡

(詳細は､https://discovery.kaust.edu.sa/)