July, 8, 2022, Berkeley--UC Berkeleyのエンジニアは、オプティクス分野で達成困難な目標を達成する新タイプの半導体レーザを作製した。サイズとパワーのスケールアップを維持しながらシングルモード光を放出できること。それは、サイズがコヒレンスの犠牲となる必要がないことを意味する成果であり、レーザは、より強力になり、多くのアプリケーションでより長い距離をカバースことができる。
UC Berkeley電気光学&コンピュータサイエンス(EECS)のBoubacar Kanté、Chenming Hu准教授をリーダーとする研究チーム、ローレンスリバモア国立研究所(バークリーラボ)材料科学部の研究者は、等間隔で同じサイズの穴を開けた半導体膜が、完全で、スケーラブルなレーザキャビティとして機能することを示した。そのレーザが、キャビティサイズにかかわらず一貫した短波長を放出することを実証した。
研究チームは、その発明をBerkeley Surface Emitting Lasers (BerkSELs)と名付けてNatureに発表した。
「シングルモードレーザのサイズとパワーの向上は、1960年に最初のレーザが作られて以来、オプティクスの課題だった。60年後、レーザでこれら両方の品質が達成可能なことをわれわれは示している。これは、今日までわれわれのグループが発表した最も重要な論文である」とKantéはコメントしている。
そのレーザの発明が先導するアプリケーションは、医療ツールからバーコードスキャナ、精密エッチングまで広範であるが、オプティクスの研究者が闘わなければならなかった不変の制約があった。レーザの特性を規定するコヒレント光、短波長指向性の光が、レーザキャビティサイズの拡大とともに壊れ始める。標準的な回避策は、ビームを増幅するために、導波路など、外部のメカニズムを利用することである。
「レーザ光増幅のために別の媒体を利用すると多くのスペースを取る。外部増幅の必要性を排除することで、サイズを収縮し、レーザに依存するコンピュータチップや他のコンポーネントの効率を高めることができる」(Kanté)。
研究の結果は、特にVCSELsに関連している。VCSELでは、レーザ光はチップから垂直に放出される。そのようなレーザは、幅広いアプリケーションで使用されている。ファイバオプティク通信、コンピュータマウス、レーザプリンタ、生体認証システムなど。
VCSELsは、一般に小さく、数µm幅である。そのパワーを強めるために使われる現在の戦略は、数100の個別VCSELsを密集させること。レーザは独立しているので、それらの位相と波長は異なり、したがってパワーは、コヒレントに結合しない。
「これは、顔認証などのアプリケーションでは許容されるが、通信や手術など精度が重要な場合は、許容できない」とEECS、Ph.D学生、論文の共著者、Rushin Contractorは説明している。
研究は、BerkSEL設計がシングルモード光放出を可能にすることを確認した。これは、一般にファイバオプティクスや通信技術で使われている200nm厚InGaAsP層の膜の穴を透過する光の物理学によるものである。穴はリソグラフィでエッチヤングされたもので、固定のサイズ、形状、間隔でなければならなかった。
研究者の説明によると、膜の周期的穴はDirac ポイントである、これはエネルギーの線形分散に基づいた2D材料の位相特性。これは、英国の物理学者、ノーベル賞受賞者、Paul Diracに因んで名付けられた。Diracは、量子力学と量子電磁力学の初期の貢献者として知られている。
研究者の指摘によると、一つの点から他の点へ伝播する光の位相は、移動した距離を乗じた屈折率に等しい。屈折率は、Dirac ポイントでゼロであるので、半導体の異なる部分から放出された光は、正確に位相であり、したがって光学的に同じである。
「われわれの研究における膜は、3000の穴を持つが、理論的には、100万、あるいは10億の穴も可能である。結果は、同じになっていただろう」と研究の共リーダー、EECSポスドク研究者、Walid Redjemは説明している。
研究チームは、高エネルギーパルスレーザを使って、光ポンプし、BerkSELデバイスにエネルギーを供給した。各アパチャからの放出を近赤外分光法に最適化された共焦点顕微鏡を使って計測した。
この研究で使用された半導体材料とサイズは、通信波長でレーザ発振を可能にするために選択された。チームによると、BerkSELsは、ホールサイズや半導体材料など、設計仕様を適用することで多様なターゲット波長を放出できると指摘している。
(詳細は、https://engineering.berkeley.edu)