July, 7, 2022, 札幌--北海道大学大学院工学研究院の長谷川靖哉教授らの研究グループは、結晶の中の分子が変形して、結晶同士が自由に連結・合体できる新しい「フォトニック分子列車」の開発に世界で初めて成功した。
非常に弱い相互作用の分子間力でつくられる「分子結晶」は光電機能に優れた物質が多く、その特性は分子の構造や配列によって自在に変化させることができる。このため、分子結晶は従来の半導体結晶とは異なる新しい電子デバイス材料として現在注目されている。
今回開発したフォトニック分子列車は、強い化学結合で繋がれた結晶界面を形成するため、その中を光情報が高効率、かつ、分子のエネルギー準位に応じて方向性をもって伝達する。また、分子構造を自在に設計することにより、光波長(光の色)も自由に変えることができる。
この技術は、分子レベルで光伝達を方向制御できることから、最新型の高速光コンピューターの回路設計への応用展開が期待される。
研究成果は、2022年7月5日(火)公開のNature Communications誌に掲載された。
論文名:Photonic molecular trains(フォトニック分子列車)
URL:https://www.nature.com/articles/s41467-022-31164-z
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)